2022.2.7 ヌーディストビーチで裸になる勇気はない 【純情ヨーロッパ】
純情ヨーロッパ 呑んで、祈って、脱いでみて [ たかのてるこ ]
評価:3
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■ヒトコト感想
たかのてるこが、会社を退職し自分がやりたいことをやるという決意のもとでの旅エッセイだ。東宝で仕事をしていた作者が、自由気ままに弾丸でのヨーロッパ旅行をする。作者の今までの旅エッセイと異なり、ヨーロッパなので王道的な旅行エッセイになるかと思いきや…。印象的なのはヌーディストビーチだ。やはり作者は普通の旅はしない。
旅先で出会った人たちとすぐに仲良くなる。小粋なあだ名をつけ、酒を飲み旅を楽しむ。それまで会社員生活でまとまった休みがなかなかとれなかった反動なのだろう。旅を楽しみ、そのエッセイを書き生活するというのはある意味理想的かもしれない。王道のヨーロッパを描くのではなく、あくまでも作者の目から見たマニアックなヨーロッパが描かれている。
■ストーリー
『ガンジス河でバタフライ』著者たかのてるこ、会社を辞め、ヌーディスト・ビーチの聖地で真っ裸になる!2カ月間15000km鉄道旅。「地球の歩き方」には絶対に載らない!
■感想
ヨーロッパというとガチガチに人種差別があるものという先入観があった。特にフランスなんてのは差別の塊の印象だ。モナコではセレブな生活を経験し、酒を飲む。現地で偶然日本人に出会ったりもする。一番の衝撃は間違いなくヌーディストビーチだ。
現地人たちが裸でビーチにいるのは問題ない。アジア人である作者がヌードになるとかなり注目されるらしい。ふと、自分に置き換えて考えると、いくらヌーディストビーチで周りに腹がでた白人が沢山いたとしても、恥ずかしくて裸にはなれないだろう。
イタリアでは日本で知り合った友達と再会する。日本でまるでモテなかった女がイタリアで処女を捨て結婚し幸せに暮らす。日本でモテない女性でも海外に行けばモテるというのはよく聞く話だ。まさにそのパターンを体現したような形だ。
お互いが不遇な時代を過ごしてきた友達と、イタリアの地で幸せになった状態で再会する。作者も自分のやりたいことができているので、幸せであることは間違いないだろう。友達がイタリアで幸せなことで、なお自分の幸せ度合いも増しているのだろう。
他の旅作品のような特別な目的があるという旅ではない。ヨーロッパ各地を駆け足に回るという感じだ。そのため、インパクトのある国以外はサラリと読み進めてしまう。それぞれのお国柄がでているのだろうが、全体の印象としては日本よりも裕福でない国であっても、現地の人々は楽しく幸福にくらしているような気がした。
作者が出合う人がそのような種類の人なだけかもしれないが…。確かに見ず知らずの外国人とすぐに仲良くなれるような人は、根明でポジティブシンキングな人が多いのだろう。
ヨーロッパ編は続編があるのだが、読む予定だ。
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