ジャッジ 裁かれる判事


 2018.5.31      判事はやったのか? 【ジャッジ 裁かれる判事】

                     
ジャッジ 裁かれる判事 [ ロバート・デュバル ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
やり手弁護士のハンクとその父親のパーマー判事の物語だ。まず根本には親子関係の確執がある。正義の塊のようなパーマー。悪ガキが成長し、金のためならなんでもする悪徳弁護士となったハンク。ある日、ハンクの母親が死に、帰省してから物語はスタートする。ハンクとパーマーの確執がベースにあり、それでも親であるパーマーを助けたいと思うハンク。

パーマーが殺人の容疑者となってからは、パーマーを助けることに全力を注ぐハンク。パーマーが人を轢いた覚えがないというが、本当なのか。ミステリー的な要素もあり、さらには、法廷サスペンス的な流れもあり、親子の感動物語でもある。ハンクのキャラがよい。そして、ハンクの兄弟たちもよい味をだしている。

■ストーリー
“金で動くやり手弁護士”ハンク。そんな彼にとって弁護士史上最高難度の事件が舞い込む。人々から絶大な信頼を寄せられる判事パーマーが、殺人事件の容疑者として逮捕。しかも彼は、ハンクが最も苦手とする絶縁状態の父親!法廷で42年間もの正義を貫いた父が殺人など犯すはずがない――最初はそう確信していたハンクだが、次々と疑わしき証拠が浮上する。

殺された被害者と父との歪んだ関係、亡き母だけが知っていた父の秘密、防犯カメラがとらえた不可解な映像――。裁判は劣勢に傾いていくのに、犬猿の仲の2人は弁護の方針を巡って激しく対立する。果たして、父は殺人犯なのか?深い決意を込めた父の最後の証言とは――?

■感想
やり手弁護士のハンク。父親のパーマー判事が、自分が更生させたと思った男が、出所後すぐに事件を起こしたため、その男を轢き殺したという容疑をかけられる。厳格なパーマーが人を轢き殺すなんてことをしたのか?というミステリー要素がある。

パーマーが記憶が無いと繰り返していることが序盤の伏線となっている。さらには、監視カメラなどで数々の証拠が上がり、パーマーにとっては厳しい状況となる。そんな中で、どのようにしてハンクは父親を弁護していくのか。

法廷での検事とハンクの争いは面白い。ハンクのやり手弁護士具合が強烈に描かれている。ただ、自分の思い通りにするためには、あらゆる手段を用いるというのがある。物語のポイントはパーマーが故意で相手を轢き殺したのか、それとも事故なのかだ。

物語の後半でハンクは父親に対する決定的な出来事を知る。このことは、父親のプライドを考え、裁判に勝つためには必要だが、できるだけ表ざたにならないようにした。最初はいがみ合っていた親子が、裁判がすすむにつれ、お互いに理解しあうのがよい。

ラストの裁判のシーンはまさに手に汗握る展開だ。検事に追い詰められ、とうとうパーマーは状況証拠から自分がやったかもしれないと告白する。そこで、ハンクは最後の手段にでる。故意か事故かを争う展開であることがポイントだ。

都会でバリバリに金を稼ぐやり手弁護士のハンク。地元で昔の恋人と出会ったり、バーで一夜をともにした相手が、実は元恋人の娘だったり。さらには、その娘が自分の子供ではないか?という疑惑がわいたり。非常に盛りだくさんな作品であることは間違いない。

法廷サスペンスとしての面白さも秀逸だ。



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