ジャージー・ボーイズ


 2018.5.16      誰もが聴いたことのある曲 【ジャージー・ボーイズ】

                     
ジャージー・ボーイズ [ ジョン・ロイド・ヤング ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
アメリカの伝説的グループ、フォーシーズンズを描いた作品。正直、フォーシーズンズのことは知らなかったが、曲は知っていた。序盤では小生意気な若者がニュージャージーで悪さをしながら、バンドで一旗上げようと頑張る物語かと思った。それが「シェリー」の曲が流れた瞬間に、これは実在したグループを描いたものだと分かった。

そこからはお決まりどおり、売れてからのグループ内のゴタゴタが描かれている。金や女の問題というある意味定番だ。ただ、本作がなによりすばらしいのは、俳優たちの歌声だ。どうやら生唱らしい。強烈なインパクトのあるバンドの演奏シーンは、それだけで見る価値があるだろう。曲も聴いたことのある曲なので、心地良く響いてくる。

■ストーリー
成功から一番遠い場所で、伝説は生まれたー。 彼らが生まれたのは、犯罪が日常茶飯事の、ニュージャージーで最も貧しい地区。そこから抜け出すには、軍に入るか、ギャングになるか、スターになるか、しか方法がなかった。

金も、コネもない彼らにあったのは、神から与えられた歌声と、曲を作る才能、そして見事に息のあったハーモニー。それだけを武器に、4人の若者はスターダムにのし上がった。しかし強い光には濃い影が差す。待っていたのは、栄光の果ての挫折…。それでも彼らは歌い続けた。

■感想
ニュージャージーの田舎町で悪さをして刑務所を出入りしていた男が、バンドを立ち上げ成功する物語だ。実話にもとづく作品だ。フォーシーズンズというビートルズよりも前に世界的にヒットしたポップスのグループ。正直よく知らなかったが、曲を聴いてわかった。

誰もがどこかで聴いたことのある曲ばかりだ。あの曲の元がこのフォーシーズンズということにまず驚いた。そして、うだつのあがらないグループがひとつの曲をきっかけとして大きく羽ばたき、その後成功していく様は、典型的なシンデレラストーリーだが見ていて心地良くなる。

バンドが成功すると必ず登場してくるのが金の問題だ。お決まり通りフォーシーズンズでも金にまつわるゴタゴタがありグループが分裂したりもする。それぞれは才能に満ち溢れているが、主導権争いや、バンドに対する思いの違いなどで分裂していく。

個人個人は多少問題があるにしても、この四人がベストなのだろう。何十年後にロックの殿堂入りしたことで再び四人がそろう姿は感動的だ。そして、歳をとった四人が美しいハーモニーを作り出すのは、強烈なインパクトがあることは間違いない。

本作の素晴らしい部分は間違いなくその歌声だ。まずボーカルの俳優の歌声が個性的ではあるがすばらしく耳に残る。これが録音ではなく俳優本人が生で歌っているということに衝撃を受けた。その他の俳優たちとのハーモニーもすばらしい。

伝記映画の鉄則としては、顔が似ている必要はあるのだが、歌声まで似せるというのはすばらしい。有名曲を俳優たちが歌うのだが、まるで違和感なくすばらしい曲を聴いている気分になる。フォーシーズンズを知らなくとも、歌声を聴くだけで全て納得できてしまう。

強烈なインパクトのある歌声だ。



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