2020.12.28 昔からあるオオカミ男のストーリーだ 【人狼の四季】
人狼の四季 / スティーヴン・キング
評価:2.5
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■ヒトコト感想
オオカミ男の物語。満月の夜に惨劇が繰り広げられる。すべての真実を知るのは車椅子の少年マーティだけ。小さな町で巻き起こる惨劇。昔からあるオオカミ男の話を、スティーヴン・キングが独自の味付けをして描いている。各季節ごとに挿絵が描かれており、それがより想像力をかきたてる。
神父は自分が満月の夜にオオカミ男になることを理解している。それでいて、そんな自分を止めてくれる誰かを求めていたのだろう。すべてを知るのはあまりにも弱い少年マーティだけ。小さな町で巻き起こる惨劇を止めるのは誰なのか。マーティが銀の弾丸を使って神父を退治しようとする。そこにいたるまでには、マーティの人知れず苦悩がある。強烈な流れであることは間違いない。
■ストーリー
1年を通じて毎月必ず1度は巡り来る“満月”。その満月の夜に繰り返される惨劇の謎。真実を知った車椅子の少年マーティに迫る殺戮者の魔手。メイン州の小さな町ターカーズ・ミルズを血に染めて恐怖の四季が巡り来る…。
■感想
昔からあるオオカミ男を、スティーヴン・キングが独自の視点で描く。各月をテーマとしてオオカミ男とその周辺でどのようなことが起こっているかが描かれている。昔からある物語なので、特別な驚きはない。人が月を見てオオカミに変身する。そして狂暴化したオオカミ男が人を襲う。
各月で挿絵が描かれており、それを見ながら想像力を補うのだろう。ターカーズ・ミルズという小さな町で、誰からも慕われている神父がオオカミに変身し人を襲いだす。
神父がオオカミになることは町の誰も知らない。ただ、小さな町に突如として惨殺された死体だけが次々と現れてくる。小さな町だけに、それまで事件らしい事件も起きていないのだろう。突然の陰惨な事件に街は大騒ぎとなるのだが…。
それとは別に、小さなコミュニティであっても自分は関係ないという人もいるのだろう。神父がオオカミ男だと知るのは、車いすの少年マーティだけ。そして、オオカミ男を倒すには銀の弾丸を撃ち込むしかない。マーティはひとり街を救おうと奮闘する。
マーティは父親からマグナムを見せてもらうことに成功する。銀の弾丸を込めたマグナムを使えば、オオカミ男を倒すことができる。マーティ少年の言うことを周りは決して信じようとはしない。
オオカミ男がこの世にいるなんて、子供のしょうもないウソとして処理してしまうのが普通だろう。満月の夜にオオカミ男に変身した神父は、マーティの銀の弾丸により倒されてしまう。神父はそうなることを望んでいたのだろう。自分では制御できない状態であるため、誰かにこの状態を止めてもらいたかったということなのだろう。
合間に登場してくる挿絵で臨場感がより高まっている。
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