イップ・マン 葉問


 2019.7.15      明らかにボクサーに不利な試合【イップ・マン 葉問】

                     
イップ・マン 葉問 [ ドニー・イェン ]
評価:3

■ヒトコト感想
序章から続く物語。日本軍の指揮官との空手勝負に勝利したイップマンは香港に移住する。そこで詠春拳を広めていくのだが、貧困は解消されない。ただ、イップマンは金のことはあまりに気にしない。弟子たちから稽古代を徴収するのだが、金がなければ徴収しない。香港で武術館を開くためには、香港での師範たちと対決しなければならない。

イップマンは師範たちとの闘いで認められるのだが…。香港がイギリスの植民地ということで、イギリス人たちに良いように使われている。傍若無人なイギリス人たちに業を煮やした師範たちは戦いを挑むのだが…。ボクシングと中国拳法の対決は、今でいうところの異種格闘技戦だが、明らかにボクシングの方が不利だと思った。

■ストーリー
1950年、イギリスの植民地の香港に、広東省から家族を連れて移住した中国武術・詠春拳の達人イップ・マン。待っていたのは、この地を仕切る洪拳の師匠ホンとの激闘だった。勝負は決着がつかぬまま、武館閉鎖に追い込まれるも、公園で黙々と弟子を指導し続けるイップ・マン。そんな時、中国武術を侮辱したイギリス人ボクサーに立ち向かったホンが、死闘の末、リング上で死ぬ。イップ・マンは誇りのために、命を懸けて挑むことを決意する。

■感想
香港へ移住したイップマン家族。詠春拳の強さを知る者たちが多数弟子入りしてくるのだが…。香港の既存の武術館の師範たちは排他的な動きをする。イップマンが認められるためには、香港の師範たちと対決する必要がある。

不安定な足場で、連続して師範たちと戦うイップマン。そこでも圧倒的な強さを見せるのだが…。イップマンの強さを認めた師範たちだが、上納金を収めることを要求してくる。香港がイギリスの植民地なため、外人へ賄賂を渡す必要があるからだ。

香港の師範たちの中心的人物であるホンは、イギリス人ボクサーに中国武術を侮辱されたため、リングで対決することになる。ボクシング対中国武術なのだが、あきらかにボクサーが不利だ。ただ、作中ではそんなことには一切触れられていない。

階級的な問題もなく、ただ単に中国武術側が蹴りや投げを使うので、パンチだけで対決するボクサーは不利でしかない。結局のところ、ホンはボクサーに殴り殺されてしまう。このボクサーの強さは強烈だ。ホンは中年太りな体形であるにも関わらず頑張った方だ。

イップマンはホンの敵討ちのためイギリス人ボクサーと対決する。それはかなり大掛かりな試合となり、観客はイギリス人だけでなく中国人も詰めかけている。新聞報道もされ、テレビで放映もされている。

それまで反目していた者たちは、イップマンの手助けをしようとする。この流れはまさにロッキー的だ。イップマンとボクサーの対決では、最初から違和感のあった蹴りの件が、試合中にイギリス人側からクレームが入り、蹴り禁止となる。しかし、最後には予定調和的な流れとなる。

ラストでは、幼いブルースリーがでてくるのが良い。



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