2021.4.6 犬と人間の間の子は犬人間だ【犬鳴村】
犬鳴村 [ 三吉彩花 ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
福岡に実際にある犬鳴峠をモチーフとした作品。犬鳴村というのが存在していたという都市伝説をホラー映画化した作品だ。序盤は犬鳴トンネルに入り込み、廃村のような場所へ向かう。そこで心霊現象が発生し、そこから呪いのような物語となる。どこか「リング」的な印象がある。
犬鳴峠に肝試しに向かった者たちは次々とおかしなことになっている。印象的なのは、電話ボックスに閉じ込められ、電話ボックスに水が充満し溺死してしまう場面だ。犬鳴村での出来事が、その後、現在の子孫にまで影響している。架空の物語ではあるが、ホラー映画として描かれた場所を知っているのはかなり強烈だ。実際に旧犬鳴トンネルには行ったことはないのだが、強烈な恐ろしさがあるのは間違いない。
■ストーリー
臨床心理士の森田奏の周りで突如、奇妙な出来事が起こり始める。「わんこがねぇやに ふたしちゃろ~♪」奇妙なわらべ歌を口ずさみ、おかしくなった女性、行方不明になった兄弟、そして繰り返される不可解な変死…。それらの共通点は心霊スポット【犬鳴トンネル】だった。「トンネルを抜けた先に村があって、そこで××を見た…」突然死した女性が死の直前に残したこの言葉は、一体どんな意味なのか?全ての謎を突き止めるため、奏は犬鳴トンネルに向かう。しかしその先には、決して踏み込んではいけない、驚愕の真相があった…!
■感想
奏の周りで奇妙な現象が起こる。単純に犬鳴トンネルでのホラーと奏の周りの心霊現象のふたつのエピソードが続いていく。犬鳴トンネルのホラーは強烈だ。肝試しに行ったカップルのうち、女の方が精神がおかしくなり、鉄塔から飛び降りてしまう。
犬鳴トンネルの先には廃村があり、それが犬鳴村という流れなのだろう。呪われた女がおかしくなり自殺する。男の方は仲間と共に、もう一度犬鳴トンネルに向かうのだが…。そこでまたしても心霊現象が発生する。ダムの近くの電話ボックスは強烈なインパクトがある。
奏の血筋にはなんらか霊感があるらしい。奏は小さいころから霊を見ることが度々あった。祖母もそのことを理解していたのだが…。ここで奏の血筋には何かしら問題があるというのが、犬鳴トンネルの騒ぎで判明する。呪われた血筋とは何なのか。
奏が霊と会話し、犬鳴村で当時何が起こったのかが映像として示される。簡単に言うと犬人間的な感じなのだろう。その犬と交わって生まれた子供が、のちの奏の祖先ということになる。かなりぶっ飛んだ設定であることは間違いない。
犬鳴トンネルは福岡での有名な心霊スポットだ。ただ、旧犬鳴トンネルの恐ろしさがそうさせているのであって、犬鳴村だとかそのあたりはオリジナルなのだろう。犬と交わって生まれた子供というのは、あまりにも特殊すぎる。それでいて、ラストの展開も、なんだか結末を放棄したような印象となっている。
福岡に住んだことのある人なら有名な心霊スポットなので興味深く見ることができただろう。まったく知らない人にとっては微妙な作品かもしれない。
犬鳴トンネルは今も存在しているのだろうか。。。
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