インサイドヘッド


 2021.12.9      頭の中に感情という生物がいる【インサイドヘッド】

                     
インサイド・ヘッド
評価:3

■ヒトコト感想
頭の中に感情をつかさどる生物が住んでおり、人の感情を操作する。ありそうでなかった斬新な物語だ。生まれたばかりの子どもはヨロコビの感情しかなかったのが、成長するにつれカナシミやキライの感情も生まれてくる。そこからイカリやオビエも登場してくる。アイスホッケーが好きな12歳の少女ライリーの感情が動いていく。

ミネソタではヨロコビが大活躍したのだが、ミネソタからサンフランシスコへ引っ越したタイミングでカナシミが多くなる。少女の感情は変わりやすいが、カナシミが動くことで大切な思い出までもが壊れていく。ヨロコビとカナシミがいなくなると、ライリーの感情に変化が訪れる。転校した少女の不安感を感情で表現しているのがすばらしい。

■ストーリー
11歳の普通の女の子の頭の中に存在する感情たちが繰り広げる冒険ファンタジー。ミネソタを離れ、見知らぬ街・サンフランシスコで暮らし始めたライリーの心は不安定になってしまう。以来、彼女の頭の中の5つの感情のうち、ふたつをなくしてしまい…。

■感想
ライリーの頭の中の感情は変化していく。楽しい時にはヨロコビが活動的であり、嫌いな食べ物がでてくるとキライが動き出す。両親との楽しい思い出は大切な思い出として永遠に残ることになる。秀逸なのは人間の頭の中を特殊な物語化していることだ。

無駄な記憶を消す領域では、不思議な生物たちが使いどころのない記憶を消去している。そんな中でも、無意味に覚えているのは、つい口づさんでしまうCM曲だったりする。誰もが共感できるのが良い。大人の頭の中にも同じように感情をつかさどる生物があるのが良い。

ライリーはミネソタでは楽しい思い出ばかりで、アイスホッケーも楽しんでいる。それが親の仕事の関係でサンフランシスコへ転校してからギクシャクしてくる。引っ越しがうまくいかず両親が不機嫌となるのもライリーの気分が落ち込む原因なのだろう。

カナシミがいろいろと行動することで、次々と昔の思い出がカナシミに代わっていく。カナシミ自身には悪気はないのだが、ライリーの気持ちが落ち込んでいるので、よりカナシミが動き出すことになる。ヨロコビとカナシミが大事な思い出を取り戻すためにいなくなってしまう。

カナシミとヨロコビがいなくなると、ライリーは不安定な表情となる。両親とも関係は悪化し、学校でも楽しくない。新しいアイスホッケー部でも楽しめない。少女の感情というのは難しいのは当然だが、頭の中でライリーに元気をださせるためにヨロコビとカナシミが必死に活動するのが良い。

強烈なインパクトはないのだが、子供だけでなく、親やペットたちにも頭の中に感情がいるというのは良い。それぞれの行動に対して、頭の中で感情たちが議論しているのが良い。

斬新な物語であることは間違いない。



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