2020.3.2 異常な二人の女の物語【イマジネーションゲーム】
イマジネーションゲーム [ 久本雅美 ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
仕事一筋で生きてきたキャリアウーマンがパンティを野外に脱ぎ捨てそれをネット上に生放送しネット上の話題となる。当然ながら顔を隠してひざ下しか映していない。ユーチューバーはパンティを探すためのチャンネルを開設したり、映像から手がかりを得るとすぐに人が集まってきたりするまでになる。仕事のストレスをネット上で話題になることで発散する女。
一方、優秀な夫の元で何不自由なく暮らしていた女が、実は夫に隠れて夫が嫌がるようなことをし続けていた。変わり者の二人が出会い、いつの間にか共同生活をする。どうにもキャラクターが歪すぎて感情移入できなかった。パンティを置く女と夫に知られずいやがらせをし続ける女。超変わり者の二人が出会い変わっていく。
■ストーリー
大手ゼネコンで部長をつとめる早見真紀子(久本雅美)は、仕事一筋で生きてきたシングルのキャリアウーマン。会社では男性社員たちと対等に渡り合い、部下の白石久美子(仙石みなみ)にも厳しく接する真紀子は、仕事はできても女性としての幸せには縁がないまま歳を重ねてきたようである。しかしそんな彼女には誰も知らない別の顔があった。
■感想
キャリアウーマンの真紀子は夜に人気のない場所へ繰り出し、そこでパンティを脱いで置いてくる。それをネット上に生放送することで話題となり、一躍有名人となる。ただ現実の真紀子はやり手部長として周りから恐れられている女だった。
女としての幸せを捨てた真紀子は、顔を隠してネット上で女神となる。仕事のストレスを発散しているのだろう。自分のパンティを多くの男たちが血眼になって探す姿を、遠くから眺めて楽しむ。悪趣味であることは間違いない。
もう一人の主人公は、夫に虐げられてきた若く美しい主婦だ。中卒ということを隠してエリートと結婚したは良いが夫は優しくない。切れた妻は夫の歯ブラシで便器を磨いたり、夫の食べ物に雑巾の汁を入れたり、些細な嫌がらせを続けることになる。
隠しカメラの映像でそのことに気づいた夫に追い出された妻は、真紀子と出会うことになる。歪な二人がお互いのダメな部分を補完し合うような流れとなっている。真紀子は女を自分の妹のようにかわいがる。不思議な共同生活が始まるのだが…。
真紀子がパンティを置く場面が監視カメラで撮影されていた。それも薬の売人を取り締まる警察にだ。そのため、真紀子は最初は薬の売人として疑われ、その後、パンティを置いていた異常者だということが世間にバレてしまう。とばっちりを受ける形で共同生活をしていた女も疑われることになる。
最終的には、真紀子は仕事を追われることになる。真紀子が散々いびり倒してきた部下の女が、真紀子がいなくなった途端、真紀子と同じようになっているのは皮肉なものだ。
異常な二人の女の物語だ。
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