2019.8.28 猛吹雪の中で立ち往生する船【アイスブレイカー 超巨大氷山崩落】
アイスブレイカー 超巨大氷山崩落 [ ピョートル・フョードロフ ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
砕氷船が巨大な氷山のために身動きができなくなる。南極の過酷な地で砕氷船の乗組員たちはのんびりと仕事をしていたはずが…。ひとつのトラブルがきっかけとなり乗組員が事故死する。それをきっかけとして船長が解任され新たな船長がヘリでやってくる。それまでの船長は部下に慕われ、部下と一緒に作業するような人物だった。新しい船長は規律を重んじて部下とは距離をおくタイプだ。
船が窮地に立たされたとしても、本国からの指示待ちだったりと、危機管理能力が低い船長だった。乗員たちはどうにかしてこのピンチを脱しようと様々な行動にでるのだが…。雪に阻まれた世界の中で、どのようにして脱出するのか。強烈なインパクトはないだが、それなりに楽しめる作品だ。
■ストーリー
1985年3月、南極。砕氷船のミハイル・グロモフ号は巨大な氷山を避けられず巻き込まれてしまう。船体は深く損傷、身動きが取れなくなったグロモフ号の目の前に立ちはだかる巨大な氷山。133日間、救出がないまま食糧と燃料が尽きていく。吹き荒れるブリザードの寒さと静けさの中、乗員達は脱出する方法を探すが、沈没寸前の砕氷船の命運は尽きようとしていた―
■感想
砕氷船が南極の氷を割りながら極寒の海をすすむ。巨大な氷山が迫りくる中で、立ち往生した砕氷船はただ助けがくるのを待つしかない。食料と燃料が尽きるまでにどうにかしなければならない。乗員たちは、必死に何か打開策を考えるが、中には新しい船長におもねり、何もしないものもいる。
船の中というある意味閉鎖された空間で、どのようなやりとりが発生するのか。新しい船長を連れてきたヘリも故障してしまう。何もかも八方ふさがりな状態ではあるが、解任された船長が起死回生の動きをする…。
吹き荒れるブリザードの中で、どのようにして脱出するのか。船の内部では、新しい船長に対する不満もでてくる。船のナンバー2たちが、新船長よりも解任された船長に頼ろうとする。船の内部での人間関係のゴタゴタというのは、なかなか解決するものではない。
ヘリのパイロットはこのまま船にいることをよしとせず、強引に脱出しようとする。極寒の吹雪の中で船をでるのは自殺行為だ。氷の亀裂にはまり、アザラシに襲われそうになったり、ヘリが着陸した氷が割れてヘリが海に沈んだり、まさに船の外は地獄状態だ。
乗員たちの家族も、まったく連絡がとれない乗員の安否を心配し始める。解任された船長の能力が必要となり、乗員たちは一致団結して新たな船長の命令を無視して行動にでる。毎日マメのスープを飲み、燃料を節約する生活に嫌気がさしたのだろう。溜まったうっぷんを晴らす機会がなければ、人は暴走するということだ。
閉鎖された空間での人間関係というのは、その変化が如実に表れる。四六時中顔を合わせているだけに一度信頼関係が壊れると、それから先、修復するのは難しいのだろう。
猛吹雪の中でどうやってこの危機を切り抜けるのか。
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