2018.8.9 奇妙すぎる機械人形 【ヒューゴの不思議な発明】
ヒューゴの不思議な発明 [ ブライアン・セルズニック ]
評価:3
■ヒトコト感想
父親が亡くなったことで独りぼっちとなるヒューゴ。父親が残した機械人形を治そうとするが、機械人形を動かす最後のカギが見つからない。全体に広がる奇妙な雰囲気。時代は昔のはずだが、ちょっとした近未来感がある。ヒューゴが治そうとする機械人形は表情はないのだが、今にも動き出しそうな雰囲気がある。
機械人形が動き、そして描いた絵は強烈だ。その時点では、どのように大きな意味があるのかという、不思議な雰囲気が強く印象つけられている。ヒューゴは孤児として保安官から狙われることになる。ヒューゴが治した機械人形とは、どのような意味があったのか。過去の映画撮影の特徴的な映像はすさまじい。第一次世界大戦の前に撮影された映画フィルムというのは、妙に興味をひかせるインパクトがある。
■ストーリー
独りぼっちで生活するヒューゴは、父が残した機械人形を直そうと悪戦苦闘する。修理をする最中にイザベルと仲良くなり、彼は一緒に機械人形の秘密を探っていくが…。
■感想
ヒューゴは父親が残した機械人形を修理しなんとか動かそうとする。ヒューゴは保安官の目を盗みながら駅で食べ物を盗みとり生活している。ヒューゴの盗みを偶然見かけた玩具店の店主は、ヒューゴをかばうのだが…。この玩具店の店主が、実は昔は有名な映画監督だったという流れだ。
最初は機械人形とヒューゴの境遇の話となる。そこで嫌な存在として保安官が登場してくるのだが、保安官としてどのような人生を送るかが濃密に描かれている。ヒューゴをただイジメるだけの存在ではない、保安官の実情というのが詳しく描かれている。
ヒューゴは少女イザベルが機械人形を動かすカギのペンダントをもっていると知る。イザベルの協力を得て機械人形を動かすと…。機械人形の秘密はそこまで大きなインパクトはない。ここまで引っ張ったので、機械人形が人間のように動き、意思をもって活動するのかと思いきや…。
ごく普通に機械として絵を描くだけだ。ただ、この絵がのちに大きな影響を及ぼすことになる。ヒューゴは父親が残した機械人形が、ただなんでもない絵を描くだけで終わるはずがないと調べ始める。そして、ある映画監督に通じることになる。
印象的なのは、昔の映画の撮影方法だ。フィルムとして撮影するための大掛かりな仕掛けというのは現在とあまり変わらないのだろう。そこから白黒のフィルムとして、そのフィルムに色を付けてカラー映画にする。それも一コマ一コマ丁寧に色付けをする。
とんでもなく手間のかかる作業だろう。そして、まるでパラパラ漫画のように動き音が無い映画ではあるが、それでも映写機から映される映像というのは、間違いなくインパクトがある。どことなく、ニューシネマパラダイス的な雰囲気があることは否めない。
機械人形が現実的な路線で終わっているのはちょっと期待外れだ。
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