ハンター


 2021.12.26      貴重な種を追い求めるハンター【ハンター】

                     
ハンター [ ウィレム・デフォー ]
評価:3

■ヒトコト感想
ハンターが幻のタスマニアタイガーを捕獲しようとする物語。企業の依頼でタスマニア島にやってきたマーティン。地元民たちは、森林伐採を批判する調査員がやってきたと勘違いしマーティンへ嫌がらせをする。冒頭、マーティンが泊まるはずの家がすさまじいボロさだ。発電機が壊れ電気がきていない。

バスタブは汚れっぱなし。まともに生活できる環境ではないが、マーティンは奮闘し民家の母娘たちと仲良くしようとする。本作の見どころはマーティンが森の中でタスマニアタイガーを捕獲するために仕掛ける罠の数々だ。森の木やつたを使って罠を作る。その罠が、のちに自分の命を助けることになる。地元民たちとの確執は最後まで埋まることはない。

■ストーリー
百戦錬磨の傭兵にして凄腕のハンターであるマーティンは、とあるバイオ・テクノロジー企業の依頼でタスマニア島を訪れた。彼の目的は、すでに絶滅したとされるタスマニアタイガーの生き残りを捕獲すること。この困難極まりない任務を遂行するために、未開の秘境へ足を踏み入れたマーティンは着実に調査を重ね、ベースキャンプ代わりの民家で暮らす女性とその幼い子供たちと心を通わせていく。

そんな母子と家族のように触れ合う日々は、ひたすら冷たい人生を歩んできたマーティンの胸の奥底に熱い何かを甦らせていった。やがてこの仕事への倫理的な疑念に駆られた彼は、秘かに迫り来る脅威との闘いを強いられ、人生最大の決断を迫られていくのだった…。

■感想
ハンターのマーティンがベースキャンプとして利用しようとした民家には夫の帰りを待つ妻と幼い子供たちが住んでいた。電気がなく部屋も散らかりほうだい。妻の夫は恐らくはハンターとしての活動の途中で怪我をし動けなくなり死んだと思われていた。

ただ、死体がでないので妻と子供たちは帰りを待ち続ける。マーティンがやってきたことで、母子たちの生活が改善していく。マーティンも母子に協力し発電機を直したり、子供たちとの交流をもったりもする。

マーティンのハンターとしての能力はすばらしい。森の中で罠を作りタスマニアタイガーの痕跡を探る。ちょっとした手がかりを頼りにタスマニアタイガーを探しだそうとする。ライバル企業から派遣されたハンターとの争いもある。

そして、地元民からは嫌がらせがある。孤高のハンターはサバイバル能力にも長けている。アクシデントで谷に落ちたとしても、そこから生還し、同じように事故にあったと思われる死体を見つける。骸骨の傍らにある絵から、母子の夫だと判明してしまう。。

ラストではタスマニアタイガーが姿を現す。この場面でマーティンは銃を構えるのだが、てっきり撃たずに逃がすのかと思った。地元民の嫌がらせ、母子たちの思い、企業からの命令、すべてを考えつくして出した答えはタスマニアタイガーを撃つということだったのだろう。

絶滅したと思われた貴重な種を目の前にして撃つことができるのか。自分だったら間違いなく躊躇してしまう。マーティンの苦悩は撃つまでの時間と撃ったあとタスマニアタイガーの死体を見つめる場面で表現されているような気がした。

タスマニアタイガーの映像はリアルだ。



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