ヒロイン失格


 2019.10.13      THE 少女漫画な流れ【ヒロイン失格】

                     
ヒロイン失格
評価:2

■ヒトコト感想
少女漫画が原作となった作品。ぶっきらぼうだがイザという時には頼りになる男・利太。利太と幼馴染のはとりは、利太のことが気になるのだが…。ヒロインとしての役割を果たそうとするが、ことごとく失敗している。そして、はとりの行動はギャグっぽい雰囲気になっている。明らかにはとりの空回り具合を面白可笑しくコメディ化している。

利太はひょんなことからクラスでも地味な女子と付き合ってしまう。それを見てはとりは絶望的な気分になる。ヒロインとはこうあるべき、というひとつの流れができているだけにそれを逆手にとってギャグっぽくしている。最後までコメディで行けばよかったのが、後半ではシリアスな恋愛物語となっているのが微妙だ。

■ストーリー
私が好きな人か、私を好きな人か。ヒロイン失格な彼女が選んだ、運命の人は―― 絶対に結ばれると信じていた大好きな幼なじみ、利太にフラれてどん底に突き落とされた女子高生はとり。そんな彼女に救いの手を差し伸べてくれたのは、学校一のモテ男、弘光だった。それぞれに別の相手と付き合いはじめたのに、お互いの存在を心から消すことができないままでいる、はとりと利太。

ケンカもするし傷つくこともあるけれど、ずっと追いかけ続けてきた“私が好きな人"。最初はチャラく見えたのに、実は優しくてストレートに気持ちを伝えてくれる“私を好きな人"。求める恋と求められる恋、幸せになれるのは一体どっちなの? 女子にとっての永遠のテーマに向き合った、はとりの選択は……! ?

■感想
女子が憧れるヒロイン像を目指すはとり。見た目は美しくモテる要素は抜群なのだが、ヒロイン像を追い求めすぎた結果、幼馴染の利太とは恋愛に発展できないでいる。この利太が少女漫画にありがちなモテ男となっている。普段は物静かで周りには無関心。だけどイジメられている者を見ると助けに入ったりする。

いざという時に頼りになる男・利太。ただ現実を考えると利太よりも、明確に自己主張しコミュ力も高い弘光の方がモテるのだろう。少女漫画でうけそうな設定だ。

利太は、はとりがボヤボヤしている隙に地味な女子と付き合ってしまう。ヒロインとして利太との恋愛の駆け引きをするはずだったはとりはショックを受けるのだが…。このあたりまでは、はとりの空回りが面白おかしく描かれておりコメディの要素が強くなっている。

利太と地味女子、はとりと弘光というダブルカップル同士のような図式が出来上がると、ここから利太とはとりがお互いを意識し始める。物語として中盤からはコメディの要素が急激に少なくなっていく。

恋愛のゴタゴタは時に強烈な嫉妬を生む場合がある。地味女子は利太にはとりが近づくことで、少しおかしくなっていく。この年代の恋愛のゴタゴタというのは恐ろしい。恋愛がこの世のすべてのような印象を持ち、失敗するとこの世の終わりのようになる。

原因のひとつとして本作のような映画や漫画が影響していることは確かだ。コメディタッチで終わってくれればよかったのだが、結局最後はシリアスな恋愛映画となっている。

少女漫画原作らしい流れだ。



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