2021.6.11 ハウルの作るハムエッグはうまそうだ【ハウルの動く城】
ハウルの動く城[ 倍賞千恵子 ]
評価:3
■ヒトコト感想
20年近く前の作品であるが、当時は劇場で見た覚えがある。かなり久しぶりに見たので内容を忘れていたため、新鮮に楽しむことができた。荒れ地の魔女の魔法によりおばあさんにされてしまったソフィー。そのことについて、ソフィーがほとんど落胆していないことに驚いた。若い女子が突如として老婆になったら死ぬほど嘆き悲しむと思うのだが…。
当時はソフィーが若くなったり年寄りとなる意味についてあまり意識していなかったが、2度目の視聴ではあるが、いまいちよくわからなかった。作中でも明確に言及されていないので、ラストのバタバタとして結末にまぎれてよくわからないまま終わったという印象だ。ハウルが巨大なカラスの化け物になる過程や強力な魔法を使うハウルの師匠の存在なども強烈だ。
■ストーリー
町を離れ荒れ地に向かう一人の少女。名前はソフィー年は18才。だが、その姿形はまるで90才の老婆だった。長女として亡き父の残した帽子屋を一人で切り盛りしてきたソフィー。だがそれは決して彼女の望んだ生き方ではなかった。ある日、出征兵士でにぎわう町中でソフィーは兵隊にからまれる。その窮地に助けをさしのべたのは通りすがりの美青年。
青年は不思議な力でそのまま空へと舞い上がり、ソフィーを束の間の空中散歩にいざなうのであった。夢のような出来事に心奪われるソフィー。しかしその夜、ソフィーは、店を訪れた荒地の魔女に呪いをかけられ、90才のおばあちゃんに姿を変えられてしまう。このままではいられない! 意を決して荷物をまとめて荒れ地を目指すソフィー。夕暮れに迫る荒れ地を歩いていると、その向こうから、目の前に奇怪な形をした「ハウルの動く城」が姿を現したのだった……。
■感想
18歳の少女ソフィーが荒れ地の魔女の魔法によりおばあさんにされてしまう。偶然荒れ地でハウルの動く城に入り込んだことでハウルたちと生活を共にすることになるソフィ。序盤ではソフィーの何に対しても流される性格というのが強烈に描かれている。
母親のごり押しに流されるソフィー。主体性がないソフィーだからこそ、魔法で老婆にされたとしても、その場の状況に流され気にしないのだろう。ソフィーがいつのまにか動く城の掃除婦となり、城の中を掃除し料理を作ったりもする。
各国で戦争が起こり、一般市民たちが被害にあう。ハウルは各国の王様から戦争に参加するように依頼されるのだが…。世界観としてハウルの魔法を各国があてにしているというのがわかる。そんな中で、ハウルを妨害するのはハウルの師匠である魔法使いだ。
ハウルが能力を使うにつれてカラスの化け物のようになっていく。このあたりについても詳しくは語られないのだが、ハウルの状況が深刻であることがわかる。ソフィーはハウルを心配しながらも、自分の意思で動き出す。ソフィーがある場面では若々しくなり、ある場面では老婆となる。この違いがよく理解できなかった。
ハウルとソフィー以外に、火の怪物であるカルシファーや案山子もいる。それらについては、いつものジブリ風のキャラとなっている。ソフィーが主体性をもち動き始めると事態は好転していく。ハウルはカラスの化け物になりかけている。カルシファーがハウルの心臓だというのがラストに判明し、そこからハウルは復活する。
荒れ地の魔女は毒気を抜かれたヨボヨボのおばあさんになり、ハウルの師匠は最後にはハウルを見逃している。案山子が魔法をかけられた王子だとか。ラストに怒涛の展開が待っている。
この不思議な世界の雰囲気はすばらしい。
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