2018.8.2 子供の健気な姿に泣ける 【はなちゃんのみそ汁】
はなちゃんのみそ汁 [ 広末涼子 ]
評価:3
■ヒトコト感想
乳がんを宣告された千恵と、それを知りながらプロポーズした信吾。序盤では、子供ができないと宣告された千恵を妻にする決意を固めた信吾の男気ある行動にしびれてしまう。全編博多弁で登場人物たちがこれでもかと明るくふるまっている。ただ、その明るさが空元気のように思える場面もある。千恵が妊娠したと知り大喜びする信吾。ただ、子供を産むとがんの再発リスクが上がる。
結局のところ千恵は子供を産む決意を固める。いつがんが再発するかわからない状況で、生まれた娘のはなにみそ汁の作り方を教える千恵。同じような歳の娘をもつ親であれば、間違いなく泣けるだろう。小さな女の子が不器用な手つきで味噌汁を作る。なんだかそれだけで涙がでそうになる。
■ストーリー
ベストセラー実話エッセイを広末涼子と滝藤賢一の共演で映画化したヒューマンドラマ。乳がんを宣告された千恵に信吾がプロポーズし、ふたりは夫婦に。千恵は手術と抗がん剤治療を乗り切り、娘のはなを授かるが…。
■感想
乳がんの千恵が娘のはなと夫の信吾と共に生きる物語だ。千恵が乳がんとわかってから、あえて結婚を申し込む信吾。家族の反対にあいながらも強行する。乳がんは女性のがんとしてはメジャーではあるが、芸能人などの状況により、わりと申告ながんだというのはわかる。
本作では、博多弁で登場人物たちは冗談を言い合いながら、がんを茶化したりもしている。その先には、明るい未来がないかもしれないが、今を全力で楽しんでいる。多大な費用をかけて民間療法のようなものでがんを直そうとしたり、四苦八苦しながら日々生活している。
一度はがんをとり切ってはいるが、はなを妊娠し出産したことで女性ホルモンが活発化しがんが再発してしまう。事前に再発リスクが高まることは認識していたが、あえて出産という選択肢を選んだ千恵。千恵と信吾とはなの三人家族の絆というのを感じずにはいられない。
千恵がいついなくなっても良いように、はなにみそ汁の作り方を伝授する。何もわからないはなは、純粋にみそ汁の作り方を学ぶ。不器用な包丁さばきでみそ汁を作る姿は強烈なインパクトがある。同じ年頃の娘をもつ親ならば強烈に心に響くだろう。
千恵とはなとのやりとりは強烈だ。はなは遊びたい盛りなので、みそ汁を作ることを嫌がったりもする。そこでも千恵はかたくなに、はなにみそ汁を作らせようとする。その後の状況を想像できる観衆としては、思わず涙がこぼれ落ちる場面だろう。
悲しい結末を迎えるのはわかっている。ただ、博多弁で明るく楽しく家族3人が幸せに過ごしている姿を見せられると、その幸せがいつ終わりを迎えるかという悲しみが強くなる。子供は健気で切り替えが早い。なんの戸惑いもなく父親とはなが二人で朝食の準備をするシーンは、まさに泣けてくる。
同じ年頃の娘をもつ人は確実に泣けるだろう。
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