ハクソー・リッジ


 2021.4.17      アメリカ側から見た日本兵の恐怖【ハクソー・リッジ】

                     
ハクソー・リッジ [ アンドリュー・ガーフィールド ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
田舎育ちのドスが、陸軍へ志願し衛生兵として奮闘する物語だ。本作は実話を元にしているらしい。ドスは陸軍に志願したが、人を殺すためのライフルを持ちたくないと言う。衛生兵を希望するのだが、人を殺さないというドスの信念は陸軍には受け入れられない。序盤で、同僚たちからイジメにあうドスの状況はすさまじい。

上官でさえも、ドスに早く田舎に帰れと言う始末。ここまでしてなぜ戦争に参加したいのか?というのは誰もが考えることだろう。ドスは真珠湾攻撃がきっかけと語る。後半は、アメリカ側から見た激しい沖縄での戦いが描かれている。それにしても、沖縄で徹底交戦する日本兵は不気味でしかない。死を恐れない兵士ほど恐ろしいものはないのだろう。

■ストーリー
緑豊かなヴァージニア州の田舎町で育ったデズモンド・ドスは、第2次世界大戦が激化する中、陸軍への志願を決める。先の大戦で心に深い傷を負った父からは反対され、恋人のドロシーは別れを悲しむが、デズモンドの決意は固かった。だが、訓練初日から、デズモンドのある“主張"が部隊を揺るがす。衛生兵として人を救いたいと願うデズモンドは、「生涯、武器には触らない」と固く心に誓っていたのだ。

上官と仲間の兵士たちから責められても、デズモンドは頑として銃をとらない。とうとう軍法会議にかけられるが、思いがけない助けを得て、主張を認められたデズモンドは激戦地の〈ハクソー・リッジ〉へ赴く。そこは、アメリカ軍が史上最大の苦戦を強いられている戦場だった。1歩、足を踏み入れるなり目の前で次々と兵士が倒れて行く中、遂にデズモンドの〈命を救う戦い〉が始まる──。

■感想
強い信念を最後まで貫き通したドス。実話をもとに描かれており、エンディングではドスのインタビューがのせられている。ハクソーでの激しい戦闘で負傷した兵士たちをドスがひとりで暗闇に紛れながら救出していく。

衛生兵としての能力というよりも、人を助けたいという強い思いをドスから感じた。序盤での生意気なドスは、その態度を見ていると誰もがドスをイジメたくなるだろう。戦争に志願していながら人を殺したくないというのは屁理屈でしかない。

どれだけ周りから殴られようが、決して逃げ出すことのないドス。土曜日は安息日にしたいという要求もすさまじすぎる。戦争中に土曜日は安息日なので休ませて、なんてのは通じないだろう。上官や同僚がドスを忌避するのは仕方のないことだ。

そんな序盤のドスから、なんだかんだありながら衛生兵として沖縄の最前線へ参加する。ここで、ドスはひたすら兵士たちを助けることを繰り返す。驚きなのは、負傷した日本兵までも助けていることだ。もはやドスからすると日本人だろうがアメリカ人だろうが関係ないのだろう。

今までの映画では沖縄で戦う日本兵側の視点はよく見ていた。本作は逆にアメリカ側から日本兵の恐怖の特攻が描かれている。どれだけ劣勢であっても恐れることを知らずに突っ込んでくる日本兵は恐ろしすぎる。アメリカ兵から日本兵がどう見えているかが如実に現れている。

ドスの感動的な行動の締めは、降伏した日本兵が自爆し、その影響を受けてドスが負傷したことで終わる。ドスのような強い信念をもった兵士がどれだけいるのか。日本兵の不気味さとドスの強い信念ばかりが印象に残っている。

戦いの描写は強烈すぎる。



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