恥しらずのパープルヘイズ 


 2018.12.8      フーゴのスタンドは強力すぎる 【恥しらずのパープルヘイズ】

                     
恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より
評価:3.5

■ヒトコト感想
ジョジョの奇妙な冒険の第5部の外伝的作品。当然ながらジョジョの第5部を読んでいる必要がある。物語はジョルノがボスを倒し組織を手に入れてからのフーゴの物語だ。小説オリジナルのスタンドや、懐かしのスタンドなども登場し、久しぶりにジョジョを読みたくなった。あまりにもスタントが強すぎるため、あえて本編では離脱させた感のあるフーゴが、本作では思う存分そのスタンドの能力を発揮し強力な敵と対決している。

ジョルノとフーゴがどのような関係となるのか。5部完結後のトリッシュを主人公とした短編も収録されており、ジョジョファンならば間違いなく楽しめる作品だろう。本編で不遇な扱いを受けたフーゴが小説版で活躍するのは読んでいて楽しくなる。

■ストーリー
多くの犠牲の末に“ボス”を打ち倒したジョルノたち。だが、彼らと袂を分かったフーゴの物語は終わっていなかった…。第5部完結の半年後を上遠野浩平が熱筆ッ!さらに書きおろし短編を収録し新装版で登場ッ!!

■感想
ジョルノが組織を手にいれてからの物語だ。ジョルノが何より嫌う麻薬を蔓延させるチーム。それを、即席の仲間たちと共にせん滅するのがフーゴのミッションだ。フーゴは途中で離脱したため、裏切り者扱いとなっている。その汚名を返上するために強力な敵と戦うことになるのだが…。

まず敵キャラクターの個性がすばらしい。原作に負けないくらい個性豊かなスタンドたちだ。特に麻薬と同様の効果をスタンドによって生み出せ、しまいには自分にそのスタンドの麻薬を注入し、本人がスーパーマンになるなど、驚きのスタンド活用方法だ。

相手の攻撃の3割が自分にふりかかり、7割が相手にふりかかるというなんとも中途半端なスタンドや、一度思い込んだらその行動や認識をひたすら繰り返すというよくわからないスタンドまで登場してくる。逆にこのよくわからない感じがジョジョっぽい。

スタンドとしてネタ切れしてくるのは当然なので、想像の斜め上をいくような能力にするしかないのだろう。それら個性豊かなスタンドたちと対決するフーゴは、初期に登場したスタンドなので当然シンプルな能力だ。

フーゴは最後の敵と対決する際には、しっかりと成長しそのスタンド能力も進化している。この進化したフーゴはまさに最強なのでは?と思わずにはいられない。ジョジョの特徴として、「最強」と思われるスタンドは数多く存在するが、そのたびに弱点や最強の盲点を突くような攻撃をしてくる敵がでてくる。

この流れというのがジョジョなのだろう。フーゴに焦点が当てられ、なおかつジョルノのその後や組織の行く末が語られているのがよい。

他のジョジョ小説と比べても、原作の正当な流れを引き継いでいる。



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