ギャング・イン・ニューヨーク


 2021.12.24      リアルなゴッドファーザーの世界だ【ギャング・イン・ニューヨーク】

                     
ギャング・イン・ニューヨーク [ ケリー・プレストン ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
まるでゴッドファーザーのような作品だ。冒頭でゴッティは刑務所の面会所で息子と話をしている。息子が司法取引をするかどうかの会話だ。ここから、ゴッティがマフィアとして成り上がるまでが描かれている。マフィアの抗争とボス争い。家族や仲間をなにより大事にし、息子にも決して負けるなと英才教育をする。実在するジョンゴッティを描いており、あいまには実際の映像が描かれている。

ゴッティが死んだ際に、民衆がその死を悲しむ場面は強烈だ。ゴッティが睨みを利かせていたことで街が平和に保たれていた。街の人々がゴッティを称賛する映像には強烈なインパクトがある。血も涙もないマフィアのボスが、民衆のヒーローというのは強烈なインパクトがある。

■ストーリー
ジョン・ゴッティは、ニューヨーク5大ファミリーの一つ“ガンビーノ一家”のチンピラとしてマフィア人生をスタート。あらゆる犯罪に手を染めながら、組織の階段を上っていく。そして、ボスのカステラーノを暗殺したゴッティは遂にファミリーのドンとなる。その後、高級スーツに身を包みマスコミにも登場。社会に不満を抱く民衆のヒーローとなった。だが、不敵な挑発を続けるゴッティに対し、FBIの追及は厳しさを増してゆく…。

■感想
ゴッティの家族と仲間、そしてファミリーを守る姿が印象的な作品だ。ファミリーの規律を守ることを何より大事にする男。ゴッドファーザーのように抗争に明け暮れるわけではない。ひっそりと気づかれないように相手を始末する。

自分がボスになるために、自分のボスを始末するのはマフィアの定番的な流れだろう。息子に対しても常に勝つことを要求する男。ゴッティの父親としての姿は印象的だ。マフィアのボスではあるが、息子に対しても同じ道を歩んでもらいたいと思っている。

マスコミにたびたび登場し民衆のヒーローとなるゴッディ。マフィアのボスでありながら、手を出すのは敵対するマフィアのみ。一般人には手をださないということで、民衆に人気があったのだろう。仲間の裏切りにより刑務所に収監されることになる。

ここでゴッティが刑務所に入ったことにより、街に新たな抗争がスタートしてしまう。民衆たちはゴッティの偉大さを思い知ることになる。物語の中盤からは成長した息子へアドバイスするゴッティと、バリバリに抗争を繰り返すゴッティが描かれている。

息子はファミリーの一員となるが、裁判にかけられてしまう。そして、息子は子供の成長を見守るために決断する。ゴッティとの親子関係も強烈だ。弟を交通事故で亡くし、父親はマフィアのボス。となると息子はファミリーの一員となるしかない。

ゴッティはそのことを喜んではいるのだが…。恐らくは複雑な心境だったのだろう。終盤までゴッティが実在した人物だとは思わなかった。あまりにもできすぎている。ゴッティが刑務所で死んだ際には、民衆たちが盛大に悲しんでいたのが印象的だ。

まさにリアルなゴッドファーザーの世界だ。



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