グランド・マスター


 2018.3.25      あのブルースリーの師匠登場 【グランド・マスター】

                     
グランド・マスター/トニー・レオン
評価:3

■ヒトコト感想
格闘技の達人たちの物語。あの詠春拳の達人であるブルースリーの師匠であるイップマンの物語だ。映像的なインパクトがすさまじい。相手を殴ると、殴った相手のほほの皮膚がゆっくりと歪んでいく。この臨場感がすさまじい。格闘ゲームでおなじみの拳法が登場し、それはまさにゲームでおなじみの動きをする。強者たちが歴史の波にのまれながら戦い続ける。

イップマンの強者具合がすさまじい。作中では無敵の強さをほこる。ただ、時代的に日本軍に蹂躙されると、ひとりの武術家はただの平民になるしかない。八極券を極めたカミソリは、まさにゲームそのままの動きだ。女でありながら強烈な強さをほこるルオメイや野望に目が眩んだ男であるマーサンなど、キャラ立ちがすさまじい。

■ストーリー
世界を呑みこむ戦争の足音が、刻一刻と迫る1930年代の中国。北の八卦掌(はっけしょう)の宗師であるゴン・パオセンは引退を決意し、その地位と生涯をかけた南北統一の使命を譲る後継者を探していた。候補は一番弟子のマーサンと南の詠春拳(えいしゅんけん)の宗師・葉問(イップマン)。

パオセンの娘で、奥義六十四手をただ一人受け継ぐゴン・ルオメイも、女としての幸せを願う父の反対を押し切り名乗りを上げる。だが、野望に目の眩んだマーサンがパオセンを殺害。ルオメイはイップマンへの想いも、父の望みも捨て、仇討ちを誓う。ここに後継者争いと復讐劇が絡み合う、壮絶な闘いの幕が切って落とされた。

一方、八極拳(はっきょくけん)を極め、一線天(カミソリ)と呼ばれる謎の男も、不穏な動きを見せていた…。 動乱の時代を生き抜き、次の世代へと技と心を受け継ぐ真のグランド・マスターとなるのは誰なのか―?

■感想
中国では南北を分けての武術の対立があった。北の八卦掌のパオセンと、あのブルースリーの師匠といわれた詠春拳のイップマン。この二人の頂点を決める対決かと思いきや…。日本軍の侵攻によりそれもうやむやとなる。

パオセンの一番弟子であるマーサン、そして娘であるルオメイ。それぞれが、ただ一人だけ受け継いだ技がある。これら濃いキャラクターたちの格闘技描写がすさまじい。激しい戦いをあえてゆっくりとしたカメラワークで見せる。時には太極拳のように本当にゆっくりとした対決もある。

パオセン側は波乱万丈となる。パオセンはマーサンに殺され、ルオメイは父親の仇を討つためにマーサンと戦おうとする。流派を誰が継ぐだとか、誰が強いというのは重要なのだろう。ただ、身内同士の戦いというのは周りに知られたくないのは良くわかる。

マーサンとルオメイ、どちらが強いのか。一方イップマンは平凡な日常をすごしつつ、町の道場の師範代となる。そこではイップマンの強さを知らない者たちが挑んでくる。このあたり、定番的ではあるがイップマンの強さの表現の仕方が絶妙ですばらしい。

八極拳の使い手であるカミソリはとてつもなくかっこよい。その強さもそうだが、孤高の戦士のようで良い。理容室を営みながら、そこで仲間を集め自分たちの勢力を作り上げる。日中戦争という動乱の中で、どの拳法が主導権を握るのか。

巨大な中国だからこそ成立する物語だろう。それぞれの強者たちが、ひとしれずひっそりと技を磨く者あり、日本軍にとりいって権力を得る者あり。女であっても、その強さにそん色はない。中国拳法とひとくくりにしてはならないのがよくわかる。

ゲームやマンガでおなじみの拳法が登場してくる。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp