2021.3.14 ペットを介した散歩友達【劇場版 柴公園】
劇場版 柴公園
評価:3
■ヒトコト感想
散歩友達とでもいうのだろうか。犬を散歩させている時に出会う人々は犬を介して仲良くなる。習慣として同じ時間に毎日出会うと、必然的に挨拶をし、そこから会話をするようになるのだろう。お互いの名前を知らず、あたるパパなど、ペットの名前をメインとして呼び合う。そんなおじさんが主人公の物語だ。
主役のあたるパパは、毎日通勤バスで出会うポチママといい感じになり、プロポーズのようなものをしてしまう。あたるパパの散歩友達である2人のおじさんとポチママとの関係が描かれている。人付き合いが苦手なあたるパパ。同じく苦手なポチママのぎくしゃくした関係がどのように変化していくのか。散歩友達という微妙な関係がどこまで相手のプライベートに入り込むかの物語だろう。
■ストーリー
ある街の公園。柴犬を連れてやって来る3人のおっさん、あたるパパ(渋川清彦)、じっちゃんパパ(大西信満)、さちこパパ(ドロンズ石本)は、日々壮大な無駄話を繰り広げていた。ある日、3人の中で唯一独身のあたるパパに恋の予感が。相手は真っ白な柴犬・ポチを連れたポチママ(桜井ユキ)!?もどかしいふたりを応援するじっちゃんパパとさちこパパだったが、あたるパパが謎のイケメン(水野勝)と密会しているのを目撃。イケメンの正体を探るべく、聞き込み調査をするふたりだが、さっぱり要領を得ない。
一方、豆柴の一郎をあたるパパに預けていた中年ニートの芝二郎(佐藤二朗)が、そろそろ一郎を返して欲しいとあたるパパに連絡をしてくる…。
■感想
冒頭、3人のおじさんが柴犬を散歩している。散歩友達の定番として、相手がどんな仕事をしているとか年齢だとかは不明で、名前すら知らない。それでも毎日会うので親しい関係となる。そんな3人の中であたるパパが物語の主人公となる。
細かな説明はされていないが、大学の講師か准教授の立場なのだろう。苔の研究者のような描写がある。家は高級マンションで生活には不自由していない40代と思われる。同僚の女性と昼食を共にするのだが、スマホでお互い好きな動画を見て食事をしている。かなりドライな関係だとわかる。
あたるは人付き合いが苦手でペットだけが生きがいのようだ。大学の教授である父親からは結婚はどうなのかと聞かれたりもする。少し頑固で偏屈なあたるパパ。偶然出会ったポチママに思わずプロポーズのようなものをしてしまう。
ここから、ポチママが実は適用障害で引きこもりだということがわかる。人付き合いが苦手な者同士で行き違いがありぎくしゃくする。他の2人の散歩友達がふたりの関係を良くしようとBBQパーティを開くのだが…。ドライな関係を好む人には逆効果なのだろう。
犬を媒介として人の付き合いが始まる。そこから結婚にまで発展する。個々の素養にもよるのだろうが、相手のどこまで踏み込んでいくのかは重要なことなのだろう。通勤バスの中で、部屋の中で犬が遊ぶ画像を見ていたり、常に犬のことを考えているような男は、女性に対してのケアもおろそかになるのだろう。
割り切ってしまえばよいのだが…。相手の女性が怒るのも納得できる。散歩友達の関係から、どのように変化していくのか。表面上の付き合いで終わらすのが無難なように感じた。
本作を見ると、内容とは関係ないのだが、柴犬の可愛さばかりが印象に残っている。
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