劇場版 おっさんずラブ


 2020.9.18      ドラマ版を見ていなくとも楽しめる【劇場版 おっさんずラブ】

                     
劇場版おっさんずラブ[ 田中圭 ]
評価:3

■ヒトコト感想
ドラマ版は見ていないが、内容はなんとなく理解できた。おっさん同士のラブロマンスがコメディタッチで描かれている。連続ドラマでの人間関係は、本作の序盤あたりでだいたい把握できる。基本はおっさん同士の嫉妬を面白おかしく描いている。強烈なのは春田に過去恋をした部長・黒澤が一時的に記憶喪失になるくだりだ。

黒澤は春田の姿を見て猛烈にアピールする。一度はあきらめたはずなのだが…。新入社員の山田ジャスティスや春田の彼氏である牧を巻き込んでの男同士のラブロマンスだ。エリートの狸穴も登場し、誰もが春田を狙っているようにすら見えてしまう。女性の存在はほぼなく、おじさん同士のラブコメをひたすら見せられているような感じだ。

■ストーリー
永遠の愛を誓ったあの日から1年が過ぎ、上海・香港転勤を経て帰国した春田創一。久しぶりに戻ってきた天空不動産東京第二営業所では、黒澤武蔵をはじめ、お馴染みのメンバーが顔を揃え、最近配属された陽気な新入社員・山田ジャスティス(志尊淳)も加わり春田を歓迎する。そんな彼らの前に、天空不動産本社のプロジェクトチーム「Genius7」が突如として現れ、リーダーの狸穴迅(沢村一樹)は、本社で新たにアジアを巻き込む一大プロジェクトが発足し、東京第二営業所にもその一翼を担うよう通告する。

隣には、本社に異動しチームの一員となった牧凌太の姿も…。何も知らされておらず動揺する春田だが、本社と営業所の確執が深まるほどに、牧との心の距離も開いてゆく。一方、コンビを組むことになったジャスティスは兄のように春田を慕い、さらには黒澤もある事故がきっかけで突然“記憶喪失”に…!しかも忘れたのは春田の存在のみ。…え、どゆこと?そんな記憶喪失あんの!?混乱する春田をよそに、黒澤は“生まれて初めて”春田と出会い、その胸に電流のような恋心を走らせてしまい…。そんな中、天空不動産を揺るがす前代未聞の大事件が発生!それに巻き込まれた春田にも最大の危機が迫る。果たして、春田の運命は…!?

■感想
連続ドラマ版のおっさんずラブを見ていなくても十分楽しめる作品だ。ドラマ版では春田が海外へ転勤となり終わったのだろう。本作では春田が日本へ戻ってくるところから始まる。春田をめぐるおじさんたちのラブコメ。

新人の山田ジャスティスなど新キャラも春田をめぐる争いに加わるようになる。作中では誰がゲイで誰がそうではないのかは明確には語られない。そのため、ジャスティスや狸穴など見た目的にそう見えるというだけで、周りも春田たちも勘違いしている。

春田と牧は不仲となる。仕事で忙しい牧。対して春田は将来のことを考えている。どこまでカミングアウトしているのか不明だが、周りもある程度春田や牧のことを知っているようだ。おっさん同士のラブコメがコメディをメインとして描かれている。

追い打ちをかけるように、部長の黒澤が記憶喪失となる。この黒澤が強烈に良い味をだしている。どうやら奥さんがいるようだが、黒澤自身は自分のことをカミングアウトしているのだろう。黒澤のキャラが本作を面白いものにしている。

おじさんたちの恋愛というのは、文字づらだけを見ると気持ち悪い状況だが、作中ではそこまで嫌悪感はない。コメディメインで、ベタベタしたものを感じない。くだらない笑いが続くのだが、それを楽しみながら物語を楽しむ感じだ。

映画版ということで、ある程度アクションが必要なのだろう。中国の組織から監禁され、脱出するために大爆発が起こったりと、アクションシーンもそれなりに描かれている。ただ、おっさんずラブとしては不要な要素なので、違和感をおぼえたのだが…。

連続ドラマを見ていなくとも楽しめる。



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