劇場版 おいしい給食 Final Battle


 2021.12.4      これぞ80年代の学校給食だ【劇場版 おいしい給食 Final Battle】

                     
劇場版 おいしい給食 Final Battle [ 市原隼人 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
原作マンガは見ていないが、深夜のドラマ版は見ていた。本作が映画化されたことにまず驚いた。給食をメインとしたマニアックなドラマであっただけに、何をテーマとして映画とするのか。80年代の中学校ということで、教師たちの当時の服装を再現しているのが良い。生徒たちも、一部ヤンキーがいるがごく普通だ。主人公の給食マニアの教師である甘利田のひとり語りがメインだ。

まるで「孤独のグルメ」のように給食を食べる際にマニアックな感想を述べている。ターゲットは40代や50代なのだろう。自分は知らないのだが、クジラの竜田揚げなどが登場している。ソフトメンも経験はないが、小さく小分けにしてまるでリッツパーティーのようにして食べるなんてのはマニアックすぎる。

■ストーリー
80年代。ある中学校で、給食マニアの教師と生徒が、静かな「闘い」を続けていた1984年。給食マニアの教師・甘利田幸男(市原隼人)に衝撃が。なんと、学校から給食が無くなるというのだ! ! 「どちらがよりおいしく給食を食べるか」という超絶給食バトルを甘利田と繰り広げている生徒の神野ゴウ(佐藤大志)は、【給食革命】を目指し、生徒会選挙に出馬すると高らかに宣言。

そんな2人を見守る新人教師の御園ひとみ(武田玲奈)の心労は果てしない…。給食一筋ウン十年。甘利田は愛する給食を守るため、史上最大の給食バトルに打ってでる!

■感想
甘利田と給食を愛する生徒である神野の対決要素が強かったドラマ版。どのようにして給食を堪能するかを争っている。本作でも、神野の常識を覆す給食の楽しみ方に度肝を抜かれてしまう。ソフトメンを小分けにしてその上におかずを乗せて食べるなんてのは、ぶっ飛びすぎている。

周りの同級生たちが驚きの顔で眺めているのが印象的だ。すでに神野は異常な給食の食べ方をすると認知されているのだろう。すき焼きが給食にでた際には、飼育係の神野は卵を鶏小屋からとってきて使っている。とんでもない生徒だ。

映画版のメインとしては教育委員会の方針により給食が廃止される部分だ。1年でありながら生徒会長に立候補してまで給食を改革したいと考える神野。ひそかに給食が廃止されると知らされる甘利田は、そのことを神野に教えてよいものか悩む。

甘利田と神野の給食に対する強い思いが、感動的な流れとなる。給食の時間に放送室を占拠して、神野は給食に対する思いを熱弁する。結局のところ、教育委員会の方針を覆すことはできない。甘利田が給食のある学校へ転任するというのがまた徹底している。

80年代を表現した教師たちの服装が良い。特に同僚の女教師については、まるで福島瑞穂のようなおばちゃんが着るスーツっぽい服装だ。他の教師では、紺ブレとチェックのグレーのパンツスタイルなんてのも今はまったく見ないスタイルだろう。

給食への熱い思いというよりは、中年の視聴者に対して懐かしさを思い出させようとする流れなのかもしれない。ミルメークや瓶の牛乳などは地域にもよるかもしれないが、懐かしくなるだろう。久しぶりに瓶の牛乳を飲みたくなってきた。

映画化されたことに驚いたのは間違いない。



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