フランス特殊部隊GIGN


 2019.3.31      死を恐れないテロリストと特殊部隊の対決【フランス特殊部隊GIGN】

                     
フランス特殊部隊 GIGN
評価:3

■ヒトコト感想
実際に起きたエールフランスハイジャック事件を、フランスの特殊部隊目線で描いた作品。武装イスラム集団のGIAとフランス政府の交渉や、特殊部隊の家族がどのような思いでいるのか。ハイジャックの緊迫感と、特殊部隊による突入作戦の困難さなどが描かれいる。もし、特殊部隊が突入せずパリへ飛行機が向かっていたとしたら。

エッフェル塔にエールフランスの飛行機が激突していただろう。多くの犠牲者を出した突入作戦は、正しい判断らしい。ただ、それは政府的な目線であり、特殊部隊の隊員の家族からしたら、家族の命が全てだ。飛行機に突入し、ハイジャック犯との激しい銃撃戦は強烈だ。この手の突入作戦のイメージでは、あっさりと決着がつくものと思われたのだが…。

■ストーリー
1994年12月24日にアルジェリアのアルジェから乗員乗客227名を乗せて、パリのオルリー空港へと向かおうとしていたエールフランス8969便に、突然、大統領警護警察を装った武装イスラム集団(GIA)の4人の男が乗り込んで来た。ヤヒア・アブダラを中心にした犯人たちは大量の銃火器とダイナマイトを機内に持ち込み、機長を通じてイスラム救国戦線(FIS)の指導者の釈放を要求。

勃発から2時間後、旅客機を取り囲むアルジェリア軍特殊部隊を撤収させ8969便を離陸させるよう要求したが、受け入れられなかったために、機体を爆破させると警告さらに乗客3名を次々に射殺し、滑走路へ投げ捨てた。フランスとアルジェリア政府による主導権争いの末、マルセイユに移動した8969便へファヴィエ将軍率いるフランス特殊部隊GIGN(フランス国家憲兵隊治安介入部隊)が突入する

■感想
エールフランスがハイジャックされた。アルジェリアの空港での出来事なので、アルジェリア政府とフランス政府の駆け引きが始まる。GIAに対して裏取引をしてハイジャックをやめさせようとするフランス政府。それら裏取引はすべて失敗する。

イスラム組織の目的はただひとつ。仲間の解放しかない。本作では、イスラム組織側の状況も描かれており、思想のために命をかける思いが強く描かれている。そのため、死を恐れない戦士であり、ラストの闘いに特殊部隊は苦労したということなのだろう。

特殊部隊は日々訓練を続けている。有事の際には、文句ひとつ言わず命をかける。すべては覚悟してのことなのだろう。本作では、それら特殊部隊の家族たちの状況も描かれている。特に子供が生まれたばかりの隊員たちは、そこには是が非でも生き残りたいという強い気持ちがある。

突入作戦の状況をテレビで見るしかない家族たちの心境はとても辛い。自分の夫が、激しい銃弾が飛び交う現場に突入している。中には倒れる隊員もいる。その隊員が自分の夫なのかどうか。強烈な状況だ。

ラストでは突入作戦が描かれている。多くの犠牲をだして決行した作戦。結果的には成功ということになっている。ただ、狭い機内で武装した犯人グループとの闘いというのは、犠牲者がでる前提の作戦ということだ。

作中でも、迷うことなく仲間の屍を乗り越えていけと命令している。政府や背広組はテレビで観戦するだけ。現場は血を流しながらの戦いを繰り広げる。そして、心配してテレビにくぎ付けとなる家族たち。これらの対比が本作のポイントなのだろう。

ラストの突入作戦の映像は強烈だ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp