フリーソロ


 2020.8.18      頭のネジがぶっ飛んだ危険なクライミング【フリーソロ】

                     
フリーソロ [ アレックス・オノルド ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
ロープなしで断崖絶壁を登ろうとする、ありえないようなチャレンジをする男のドキュメンタリー。ロッククライミングと言えば、命綱を付けながら断崖絶壁を登るというのがある。ロッククライミング自体も危険な競技であることは間違いない。事故で死人がでることもよくある。そんな危険なロッククライミングのさらに上をいくのがフリーソロだ。

たったひとりでロープを付けづに断崖絶壁を登る。そのチャレンジをドキュメンタリーとして描いている。1キロもの岩の壁を登る。1センチ程度のくぼみを足場として指先と足のつま先だけを支えにして登る。何度もロープを付けて練習し、最終的にすべての行程に自信をもつまでになるとフリーソロにチャレンジする。本人よりも周りの仲間たちの気持ちを考えるといたたまれなくなる。

■ストーリー
地面から垂直に切り立った数百メートルの岩壁を、命綱となるロープや安全装置を一切使用せず、己の手足のみで登る。最もシンプルで、最も危険なクライミング“フリーソロ"の若きスター、アレックス・オノルドに1年間、カメラが密着。彼が抱く壮大な夢、それはカリフォルニア州ヨセミテ国立公園にそびえ立つ、高さ975メートルの断崖絶壁エル・キャピタンのクライミング。フリーソロで登り切った者は、かつてひとりもいないこの絶壁に彼はどう立ち向かうのか?カメラは、たゆまぬ訓練と試行錯誤を重ねるアレックスのトレーニング風景、孤独なフリーソロに身を投じていく姿を克明に記録していく。

そして2017年6月3日、遂にエル・キャピタンに挑むアレックス。岩壁に設置した固定カメラ、空中のドローンカメラ、クルー総動員のカメラが映す極限映像に驚愕する事、間違いなし!

■感想
ロッククライミングの究極の形。ロープを付けづに岩を登る。普通のロッククライミングであっても、ちょっとした事故で滑落し死亡することがある。そんなただでさえ危険なスポーツのさらに上を行くのがフリーソロだ。

命綱なしで岩の壁を登る。当然、少しでも足を踏み外せば命はない。そんな正気を疑うようなチャレンジを追いかけるのが本作だ。スリルをひたすら追い求める男。ロープを付けたクライミングをひたすら繰り返し、自信をもって挑めるまで登り続ける。なぜあえてそんなチャレンジを?と思わずにはいられない。

挑戦するアレックスには恋人がいる。そして、一緒にクライミングする仲間もいる。さらにはドキュメンタリーなので取材クルーもいる。それらの人々の心配をよそに、フリーソロに挑戦する。練習時にはなんどか滑落し怪我をしたりもする。

そんな状態でありながらチャレンジをやめようとはしない。恐怖を感じる脳の回路に異常があるのだろうか。アレックスは常に平然としてフリーソロにチャレンジしようとする。そもそもアレックスの人生の目標は達成感を得ることだけ。普通の人とは人生の目標が根本的に異なっている。

ラストではフリーソロチャレンジが描かれている。一度、嫌な雰囲気を感じて断念し、2回目のチャレンジ。カメラクルーはアレックスの邪魔をしないように細心の注意をはらう。恋人は、アレックスと離れたあとに涙を見せる。

それはそうだろう。失敗すれば即、死が待っているチャレンジだ。撮影クルーのひとりは、アレックスのチャレンジを見ることができない。それはいつ落ちるかどうか不安でしょうがないからだろう。異常なチャレンジは、周りの者を不安な気持ちにさせる。ただ、それをわかっていながらも、アレックスはチャレンジをやめることができない。

ドキュメンタリーだけに、ハラハラドキドキは止まらない。



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