フォーカス


 2018.7.31      どこまでが仕組まれたことなのか 【フォーカス】

                     
フォーカス ブルーレイディスク
評価:3

■ヒトコト感想
超一流の詐欺師ニッキーが巨大な詐欺を実行する。この手の詐欺師の物語は、どこまでが事前に準備されていたかというどんでん返しがある。本作でも、詐欺師集団を率いたニッキーが女詐欺師ジェスと共にギャンブル狂に出会うエピソードがある。ニッキーは挑発され言われるがまま掛け金を引き上げられ、大事なみんなで稼いだ金をすべてすってしまう。

絶望的な気持ちになるジェスだが、実はそれらを含めてすべてニッキーが仕組んでいたことだとわかる。この騙された感こそが詐欺師映画のだいご味だろう。後半では数年後に引退したと思われたニッキーが、怪しげな動きをし始める。そして、ジェスと再会する。どこまでが仕組まれたことで、どこからがハプニングかわからなくなる作品だ。

■ストーリー
フォーカス=〈視線〉を操ることができれば「誰だって騙すことができる」。超一流の詐欺師ニッキー(ウィル・スミス)は、30人もの腕利き詐欺師を束ねる犯罪集団のトップだ。空港、カジノ、高級ホテルからスーパーボウルに沸く街中でも大胆なチームプレイで次々と荒金を稼いでいく。ニッキーは、とある高級ホテルのレストランで女詐欺師ジェス(マーゴット・ロビー)と出会う。

ジェスは、ニッキーを騙そうとしたものの逆に彼の詐欺テクニックに魅了される。結果、彼の一味に加わったジェスは詐欺師としてメキメキと頭角を表し、やがてニッキーの信頼と愛情を得るようになる。しかし、最後の大きなヤマに勝った後、ニッキーは姿を消してしまう――。

■感想
導入部分は詐欺師ニッキーの優雅な生活だ。そこで女詐欺師ジェスの策略に引っかかったふりをしながら、すべてをコントロールしている。ニッキーは、ひとりで詐欺を実行するのではなく組織として詐欺師集団を率いて莫大な金を稼いでいく。詐欺師チームのチームプレーは圧巻だ。

ジェスは、そんなニッキーの詐欺師チームに入り込み、詐欺師としての腕を磨いていく。ニッキーは完璧に見えながらも、熱くなる欠点があるようだ。それを伏線として、ギャンブラーとちょっとした賭けをはじめ、それがエスカレートし稼ぎをすべてすってしまう。

この手の作品の面白ポイントは、間違いなく詐欺師のだましあいだ。どこまでがあらかじめ想定していたことなのか。ニッキーはギャンブラーとの対決で、真に迫った演技をみせ、ギャンブラーを騙し莫大な金を手に入れることになる。

仲間であるジェスでさえもだますことで、詐欺行為を成功させている。観衆はジェスと同じように、ニッキーの暴走からすべての金を奪われてしまうのか?というハラハラドキドキがある。そして、勝てる見込みのない最後の賭けに挑むのだが…。

後半ではジェスとニッキーが別れた後の話となっている。ニッキーが最後の大勝負をする。ジェスを味方に引き入れながらの最後の大勝負だが、それが相手にバレ、囚われの身となるニッキー。強烈なインパクトがあるのは、最後の状況だ。

それまでニッキーに壮大なだましを食らってきただけに、今回もだましなのでは?と思わずにはいられない。どこまでが騙しでどこからが本当なのかは、見極めることは難しいだろう。ほど良い範囲でだましの部分が語られているのが良いのかもしれない。

騙しのプロセスがすばらしい。



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