エリジウム


 2018.8.30      究極の二極化社会 【エリジウム】

                     
エリジウム [ マット・デイモン ]
評価:3

■ヒトコト感想
究極的に二極化された世界で生活する人々を描く。スペースコロニー「エリジウム」はまさに最上級の生活が約束される地だ。驚きなのは、どんな病気でも瞬く間に直してしまう設備が一家に一台あることだ。それは、手榴弾で破損した顔さえも元に戻してしまう。一方地球では満足に医療行為を受けられない人々がどうにかしてエリジウムに入り込もうと必死になる。

エリジウムに住む選ばれた人間たちは、自分たちの特権を守ろうと他者を拒む。地球のスラムに住むマックスが、体に改造を加えエリジウムに入り込もうとする。対してエリジウムでは冷酷非道な女防衛庁長官デラコートが容赦なく相手を死滅させていく。エリジウムとスラムの対比がすばらしい。エリジウムはまるで天国のようだ。

■ストーリー
2154年、世界は完全に二分化されていた。ひと握りの富裕層が上空に浮かぶスペースコロニー「エリジウム」で極上の人生を謳歌する一方、人類の大多数は荒廃しきった地球で貧しい生活を強いられていた。スラムに暮らすマックス(マット・デイモン)は、ある日不慮の事故に遭い余命5日と宣告されてしまう。

生き残るには医療ポッドのあるエリジウムに進入するしかない。レジスタンス軍に参加し、決死の覚悟でエリジウムへ挑む彼の前に、冷酷非情な女防衛長官デラコート(ジョディ・フォスター)が立ちはだかる…!

■感想
スラムとエリジウムの対比がすばらしい。スラムの住人たちは、エリジウムに入り込もうと必死になる。エリジウムはまるで天国のようで、自分たちだけでその天国を味わうために他者を排除しようとする。外部からの侵入に対しては強行な姿勢をとるデラコート。

人道的な考え方など何一つない、圧倒的な冷酷性。エリジウム内部はすべてコンピュータで制御されている。そのプログラムを書き換えることができれば、スラムの住人もエリジウムに移住できるのだが…。

レジスタンスに参加したマックス。そしてひょんなことからエリジウムの需要なプログラウを頭の中にダウンロードすることに成功する。マックスの頭の中のプログラムをめぐる攻防。エリジウムの住人たちはまるで促成栽培されたような者たちばかりで暴力的な要素はない。

そのため、テラコートが汚れ仕事を依頼するのはスラムに住む荒くれものたちだ。結局のところマックスはスラムの荒くれものたちと戦うことになる。聖域であるエリジウム内部に入り込んだあとも、スラムの荒くれものたちは自由気ままに暴れまわる。

強烈なインパクトがあるのは間違いない。エリジウムの強烈な印象がすばらしく、天国のような場所に場違いなスラムの住人たちが入り込む。確かに自分がエリジウムの住人であれば、スラムの住人たちにエリジウムには来てほしくないと感じるだろう。

快適な生活を乱されたくない。既得権益を奪われたくない。エリジウムのなんでも直してしまう医療ポットのすばらしさを知るスラムの住人たちは、こぞって医療ポットに集まるのは当然だろう。究極の格差社会がここにある。

エリジウムの天国具合はすさまじい。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp