英国総督 最後の家


 2020.3.14      インドとパキスタンはもともとひとつだった?【英国総督 最後の家】

                     
英国総督 最後の家 [ ヒュー・ボネヴィル ]
評価:3

■ヒトコト感想
イギリスの植民地となっていたインド。歴史的事実としてはインドがパキスタンとつながってひとつの国であったことに驚いた。そして、宗教の問題からインド内部で虐殺が起こったため、国をインドとパキスタンに分断したことにも驚いた。インドを統治するイギリスの総督家が本作の主人公だ。イギリス人とインドの習慣の違いに戸惑いつつも、インドのためを考え行動するイギリス人。

国を分断するという機運が高まると、今度はどちらの国籍を選ぶかの問題が発生する。総督家の使用人たちの中でもインドとパキスタンという2つの国に国籍が別れる。当然、さまざまな資産もインドとパキスタンで公平な割合で分けられることになる。今度はインドに住む者たちの別れの問題が発生してくる。

■ストーリー
デリーの総督の家はインドのイギリス統治者の家だった。1947年の6ヶ月か月間、ルイス・マウントバッテンは、インドを返還する為に、最後の総督の役職を引き受けた。マウントバッテンは娘と妻と2階に住んでいた。下の階には5000人のヒンズ―教徒、イスラム、シーク教徒の使用人が住んでいた。2階では、政治のエリートがインド独立の論議を行い、衝突していた。歴史の瞬間で、世界に大きな影響する破滅的な決断がなされようとしていた。彼らはインドを分断し、パキスタンに新しい国を作り出そうという、人類史上もっとも大きな移民政策を打ち出そうとしていた。

■感想
本作は歴史的事実に基づいた作品なのだろう。インドがパキスタンと別れる。それを主導したのはインドを統治していたイギリスだ。新たにやってきたイギリス人のマウントバッテンは妻と娘とともに共にインドで生活しさまざまな宗教をもつ使用人たちを使いながら生活していた。

インドの国の起こりはこのような状態だったことに驚いた。人種的に近く宗教で対立する場合は、相手に対しての憎しみは倍増する。インドとパキスタンもそんな経緯があったのだろう。ただ、もともとが1つの国であったことに驚いた。

イギリス主導で突貫的にインドとパキスタンの分断を決定する。そこからわずかな時間で国境までも決めようとする。かなり無茶なことだ。インド8割、パキスタン2割という割り振りで資産を分け、国民はそれぞれが好きな国籍を選ぶことができる。

となると、さっきまで一緒に仲良くしていた者が、次の瞬間には別の国の人間になる可能性がある。国を分断しなければ、大虐殺が起こるらしい。国の分断が遅れれば遅れるほど被害者が増えていく。何を怒りとして虐殺が起きるのかは不明だ。

宗教的な対立は根深いものがあるのだろう。作中では、ちょっとしたことでトラブルがアチコチで起きている。たとえ愛し合った二人であっても、国により分断される可能性がある。国を分けて正解だったのかは結果論で言えば正しいのだろう。

イギリス主導で前々から決められていたことであっても、民衆を納得させるためにはある程度パフォーマンスが必要となる。それらを担っていたのは、本人には知らされないままインドのために必死に仕事をし続けたマウントバッテンだろう。

インドがこんな歴史をたどっていたことに驚いた。



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