ドリームキャッチャー4 


 2019.8.3      ベーコンサンドを美味そうに食べるエイリアン 【ドリームキャッチャー4】

                     
ドリームキャッチャー(4) 新潮文庫/スティーヴン・キング
評価:3
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■ヒトコト感想
エイリアンにとりつかれたジョーンジーは、ある目的地に向かい車を走らせる。それを追いかけるヘンリーとオーエンに、ダディッツが加わり、テレパシーでジョーンジーたちを追いかけ続ける。一方、オーエンにしてやられたカーツは、ひたすらオーエンたちを追いかけ続ける。3巻から続く物語はとうとう架橋に迫っている。

カーツたちもエイリアンにとりつかれた男の能力で相手の居場所を探ることができる。それぞれが相手にその存在がバレた状態で、誰がいち早く相手に追いつくのか。ラストはエイリアンにとりつかれたジョーンジーがしっかりと地球を救う働きをしている。精神世界の戦いとなり、カーツたち軍人の異常さがこれでもかと表現されている。

■ストーリー
アメリカ先住民に伝わるお守り“ドリームキャッチャー”。人類を襲った侵略の悪夢は、その魔よけさえもすり抜けてしまったのか。エイリアンにとり憑かれたジョーンジーを追うヘンリーは、瀕死の床にいる旧友ダディッツに救いを求める。はたして彼は人類を守る“ドリームキャッチャー”となるのか?慟哭が待ち受けるクライマックス。究極のホラー大作も、ついに大団円を迎える。

■感想
地球を襲った危機は、政府の巧みな情報操作により闇に葬られようとしていた。ジョーンジーは体内にエリアンが入り込み、精神世界で肉体の主導権を握るための戦いを繰り広げている。戦いはエイリアンが優勢でありながらも、ジョーンジーの欲望に対しては譲歩することがある。

印象的なのは、ジョーンジーがベーコンを食べたいといい、途中の店でベーコンを買うシーンだ。店員は間一髪、エイリアンの無慈悲な殺戮から逃れることができた。ジョーンジーがベーコンをパンで挟みマヨネーズをつけて食べるシーンは、妙にうまそうに感じた。

オーエンとヘンリーは地球を救うためにエイリアンにとりつかれたジョーンジーを追いかけ続ける。途中でテレパシーを使えるダディッツを仲間に加え、ジョーンジーの行き先をテレパシーで察知し追いかける。

ダディッツは発達障害なためコミュニケーションがとりずらい。それでも、ダディッツは命をかけてジョーンジーの居場所を探りあてる。政府の誤情報により誰もが地球の危機を知らないまま、ヘンリーたちはひっそりと地球を救うために行動し続ける。

カーツたちは全滅しかけた軍隊ながら、すでにその目的は軍とは別のものになっている。大統領の演説により国民たちは地球に対する危機は去ったと認識した。しかし、カーツたちだけは、すべてのけじめをつけるために裏切り者のオーエンを追いかけ続ける。

カーツ達にもエイリアンにとりつかれテレパシーを得た者がいる。ただ、残り少ない命を燃やしながらの追走劇。カーツは、軍人らしく合理的な判断にもとづいて行動する。ただ、後半になるともはや怨恨でしかないように思えた。

壮大な物語は、映画版とはかなり違っていた。



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