ドラフト・デイ


 2019.11.23      電話1本で指名権をトレード【ドラフト・デイ】

                     
ドラフト・デイ
評価:3.5

■ヒトコト感想
NFLのドラフトを舞台とした作品。ドラフトと言えば、日本ではプロ野球をイメージしてしまう。NFLのドラフトはあらかじめ指名できるチームの順番が決まっている。このことが本作にドラマを生んでいる。絶対的なスター候補生のキャラハンをどのチームが指名するのか。チーム同士の駆け引きもそうだが、指名される選手たちもドラフトが全てで、指名された後に活躍できるかはほとんどポイントとされていない。

ドラフトで指名することが全てとなっている。最も驚いたのは、ドラフトの指名順を電話ひとつでやり取りしてしまうことだ。トレードという言葉ひとつで今後3年間の1巡指名権を相手に譲るなんてことまである。それをすべてGMが即座の判断でやってしまうのがすさまじい。

■ストーリー
絶対絶命から始まった10分間の逆転ショーアメリカン・フットボールのプロリーグ、NFLに所属するクリーブランド・ブラウンズのGM(ゼネラル・マネージャー)、サニー・ウィーバーは、今まさに人生の崖っぷちに立たされていた。チームの運営と強化を一手に担う彼は、ここ2シーズンのふがいない成績に責任を感じ、3季目の今年こそは地元ファンの期待に応えたいと願っている。

そのためには12時間後に迫ったドラフト会議で、超大物ルーキーを獲得することが必要不可欠だった。ところがライバル・チームのGMに苦しい事情を見透かされたサニーは、チームの未来を売り渡す無謀なトレード話に応じてしまい、オーナーの横やりや監督との対立にも心をかき乱されていく。

■感想
NFLのドラフトの熱さはけた違いだ。日本のプロ野球のドラフトのように、指名がかぶった場合は抽選などという生易しいものではない。チームで指名順が決まっており、有無を言わさぬ迫力がある。その結果、指名順を相手にトレードするなんてことまで発生している。

キャラハンというスターをとるために、サニーは来年からの3年間の一巡指名を相手に渡すことになる。このことが周囲に伝わりサニーは非難されるかと思いきや…。大絶賛されるのがすごい。それだけキャラハンの実力がずば抜けているということだろう。

とんでもない大博打を打ってキャラハンを指名しようとしているサニー。心の中では本当にキャラハンで良いのか?という葛藤がある。これは当然のことだろう。向こう3年間のチーム強化を無にするようなトレードだからだ。

キャラハンを徹底的に調査していくとひとつの欠点が…。サニーはキャラハンと当初の候補者と、どちらを選択するかで激しく葛藤する。GMの仕事は無茶苦茶大変だというのがわかる。世間の流れ、オーナーの意向、監督の考え、そして自分の決断力。すべてをトータルで考え何を真とするのかだ。

ラストの流れはめまぐるしい。ドラフト内でめまぐるしく指名権がトレードされている。特にサニーはアクロバティックな交渉をしている。かなりのやり手だ。最初はサニー側が下手に出たが、そこから相手がすりよって来た瞬間に別の条件を突きつける。

相手にも多少のメリットはあるにせよ、結局大勝したのはサニーということになる。それにしても重要な指名権のやりとりを電話一本で決めてしまうというのは、かなり衝撃的だ。口約束なので、あとで、言わなかったなんてことにならないか心配に感じた。

かなり強烈なドラフト中の流れだ。


おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp