ダイヤルM


 2021.12.1      絶体絶命の場面での言い訳がすさまじい【ダイヤルM】

                     
ダイヤルM [ マイケル・ダグラス ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
大物経営者のスティーヴンと若く美しい妻のエミリー。資産家のエミリーと結婚したことでスティーヴンは株取引で成功した。序盤で、エミリーと若い男の不倫が描かれている。そのことを知ったスティーヴンは愛人に対してエミリーの殺しを依頼する。なぜこうなるのか?観衆はスティーヴンのエミリーに対する感情が不明のまま、物語が進んでいく。順調に思われたエミリー殺害計画だが、失敗したことでさらに物語は複雑になっていく。

ここで、エミリーが死ぬことで莫大な資産がスティーヴンに入るというのが判明する。後半、スティーヴンがエミリーに必死に言い訳する場面は強烈だ。ここまでつじつまが合うのは偶然なのだろうが、すさまじい緊迫感がある。

■ストーリー
ウォール街の大物スティーブン・テイラーは愛妻家のようだが、実は違う。美しいエミリー・ブラッドフォード・テイラーは貞淑な妻に見えるが、実は違う。そしてスティーブンによる、エミリーの愛人を雇った妻殺しは完全犯罪に思われたが、それも違う。

■感想
スティーブンがエミリーの愛人の画家と知り合いとなり、そこで最初は純粋に絵に興味があると近づいていく。そこから、金を使って調査をし若い男の秘密を暴露する。そこでエミリーの殺しを依頼する。この段階では、単純に浮気されたことを恨みにもちエミリーの殺害を依頼したのかと思いきや…。

スティーブンとエミリーのギクシャクした表向きだけ取り繕う姿が痛々しい。エミリーは早く若い男との関係をスティーブンに暴露したい。エミリー殺害を依頼されたこともあり、男はエミリーが暴露することを止めることに必死となる。

エミリー殺害計画は失敗する。このあたりが強烈な緊迫感に満ちている。すべての計画がうまくいったと思い部屋に入ってくるスティーブン。リビングにはおびえて受話器を手にもつエミリー。キッチンには覆面姿で死亡した男。

ここからのスティーブンの動きがすばやい。何をやっているのかと疑問に思ったが…。本来男がやるはずだった強盗を偽装する作業だった。ここからの刑事の鋭い指摘や、覆面をとった際にエミリーの愛人とは別人だった時の衝撃などはすさまじいものがある。

スティーブンの計画はどのような流れとなるのか。エミリーの愛人が、実はスティーブンの依頼の声を録音していた。そのテープを元に金をせびられることになるスティーブン。エミリーに対しては、スティーブンが殺害計画を立てたのだと疑われることになる。

絶体絶命のスティーブンがエミリーに行う言い訳が最高だ。この場面が本作のメインかもしれない。スティーブンが説明することが、すべて偶然にも事件に合致したため、エミリーは、スティーブンが自分を守り、愛人の男が勝手に仕組んでエミリーを殺そうとしたと考えてしまう。

この二転三転する流れは衝撃的だ。



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