ダイアナ


 2019.2.26      ダイアナの真実 【ダイアナ】

                     
ダイアナ [ ナオミ・ワッツ ]
評価:3

■ヒトコト感想
ダイアナの印象というのは、常にパパラッチに狙われ、離婚騒動があり悪女だという印象だった。そして、最後の最後にはパパラッチに狙われ、車で事故に遭う。あまり幸せな生活を送っていた印象はない。本作では、そんなダイアナがどんな生活を送っていたかを、チャールズ皇太子への気持ちが離れてからに焦点を当てて描かれている。

金には不安のない生活だが、常に動きをパパラッチに狙われ続ける。新しい恋をするにも一苦労。恋人であるカーンはプライベートがない生活について、ダイアナに弱音を吐いているが、それは当然なことだろう。ダイアナの再婚相手は世界中から注目されるのはもちろんのこと、プライベートはないに等しいだろう。結局のところすべてはそこに集約されている。

■ストーリー
1995年、夫と別居して3年、ダイアナはふたりの王子とも離れ、さびしい暮らしを送っていた。そんなある日、心臓外科医のハスナット・カーンと出逢い、心から尊敬できる男性にやっと巡り逢えたと確信する。BBCインタビュー番組に出演して別居の真相を告白、“人々の心の王妃"になりたいと語って身内から非難された時も、ハスナットだけは「これで、君は自由だ」と励ましてくれた。

それから1年、離婚したダイアナは、地雷廃絶運動などの人道支援活動で、世界中を飛び回る。自分の弱さを知るからこそ弱者の心を理解できるダイアナは人々の心を癒し、政治をも動かす力を持ち始めていた。一方、永遠の誓いを交わしたハスナットとの愛は、ゴシップ紙に書きたてられ、彼の一族からも反対される。ダイアナはドディ・アルファイドとの新しい関係に踏み出すのだが・・・しかし、その瞬間までは刻一刻と近づいていた。最期まで彼女が求めていたものとは-。

■感想
ダイアナが夫と別居してからの生活が描かれている。テレビでの印象では、ダイアナは悪女というイメージがあった。当然ながらそれはメディアに作られた虚像であり、ダイアナもふたりの子供をもつ普通の女性であることには変わりない。そんなダイアナが外科医であるハスナット・カーンに恋をするのだが…。

カーンとの関係がメインに描かれており、カーンが素朴で、それに答えようとするダイアナが非常にけなげだ。カーンのために慣れない料理をするが、カーンはファーストフードが好きだという庶民的な部分がよい。

カーンはダイアナと付き合うことに疲れてくる。何かにつけてパパラッチに狙われる生活。ダイアナと結婚するということは、今後、一生その生活が続くということだ。カーンが尻込みするのは当然だろう。そして、それをダイアナに告白するとダイアナは嫌悪感を示す。

恋愛がうまくいかないことの腹いせのように人道支援活動で心を満たそうとするダイアナ。このあたり、ダイアナの自己満足のように思えてしまう。確かに結果的には地雷廃絶運動は成功したのだろうが、金持ちが自己顕示欲を満たすためだけに行動したように思えた。

ダイアナはカーンとひっそりと結婚し、目立たず田舎暮らしをするのが最善だったのだろう。ただ、世界はそれを許さず、ダイアナ自身もそのことを望んでいない。カーンとの関係がダメになったとしても、元王妃としてのカリスマ性を失いたくないのだろう。

すべてを捨てて、ダイアナがいち私人になることは不可能だ。ダイアナは自分の影響力の大きさを理解しながらも、カーンと結婚したいという矛盾した思いがある。もしかしたらダイアナの状態というのは考えうる限り最高に不幸な状況なのかもしれない。

常にパパラッチに狙われる生活は気が狂いそうになる。



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