2018.4.2 伝説のガンマンは生きていた 【ブッチ・キャシディ 最後のガンマン】
ブッチ・キャシディ 最後のガンマン [ サム・シェパード ]
評価:3
■ヒトコト感想
伝説の強盗であるブッチ・キャシディは生きていた。ジェームズと名前を変え、鉱山エンジニアと共に、追っ手から逃げる手伝いをする。ブッチはブイブイ言わせていた昔を回想しながら、男と共に逃走の旅にでる。道中で様々な追っ手と戦いながら、目的地へ向かう。ブッチは弱きを助け強きを挫くタイプだ。
富豪から盗んだ金を持ち去ろうとする男とブッチ。原住民たちの追っ手から逃れながら、銃撃戦を繰り広げながら進む。過去のブッチを知る男から、男が誰から金を盗んだかを聞く。ブッチからすれば過去の罪滅ぼしの気持ちもあったのだろうか。のちに衝撃的事実を知り、失望しながらも男を追うことになる。過去と現在を交互に描きながらの物語だ。
■ストーリー
ブッチ・キャシディは、ボリビアで生きていた!!彼は名前をジェームズ・ブラックソーンと変えて、馬を育て静かな生活を送っていた。しかし歳老い、終焉の地を求めて母国アメリカに帰る決心をした。旅の途中、大金を盗んで敵に追われる鉱山エンジニアの若者と出会う。ブッチは、その男に昔の自分を彷彿させるものがあったため、彼と道中をともにする。しかし、その男こそがブッチをとんでもない窮地に陥れることに…。
■感想
元有名な強盗であったブッチは死んだことになってはいるが、人知れずボリビアの地で生きていた。ブッチのボリビアでの生活はのんびりとした、まさに隠居生活だ。現地人の恋人がおり、静かな生活を送っていた。そこで偶然鉱山エンジニアの若者と出会う。
富豪から奪い取った大金を見つけ出す旅にでるブッチと若者。若者の姿に自分の過去を重ね合わせ、同行することを決意するブッチ。このブッチと若者のやりとりがなんとも言えず良い。若者はブッチを信頼し、ブッチもまた若者を守ろうと考える。
道中では激しく追っ手が迫ってくる。追いかけてくるのは富豪に雇われたと思わしき現地人たち。ブッチは昔の経験を活かし逃げ切る。このあたり、若者ひとりでは確実にやられていたであろう場面を、ブッチと一緒のおかげで逃げ切っている。
ぶっきらぼうのブッチが、次第に若者に心を開き、帽子を渡す場面がまさに最高だ。ブッチが危機におちいると、若者がブッチを助けたりもする。砂漠や塩湖を逃げ回りながら、大金を手にし、ふたりで分け合おうと考えていたのだが…。
ブッチの過去を知る人物より、若者が金を奪い取った先の真実を聞く。ここから、ブッチの失望と怒りが交錯する。過去にはブイブイと言わせていたブッチが、老人となってからもその思いを捨て去ることができない。
ブッチと若者の関係以上に、ブッチはボリビアに来てから現地人たちとの交流があった。そのことが、ブッチを最後の行動にうつらせていたのだろう。伝説的な盗賊の晩年は幸せなはずだったのだが、最後の最後で、大きなミスを犯したというところだろうか。
伝説のガンマンは、歳をとってもその力は衰えない。
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