ブルックリンの恋人たち


 2019.10.20      人の心は変化しやすい【ブルックリンの恋人たち】

                     
ブルックリンの恋人たち【Blu-ray】 [ アン・ハサウェイ ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
博士号の取得を目指すフラニーは、モロッコで弟が交通事故にあったことを知る。慌ててNYへ戻ると、そこには昏睡状態の弟がいた。昏睡状態の弟と喧嘩別れ状態だったため、関係を見直すために弟が残したさまざまなものをチェックする。そこで弟が憧れるミュージシャンのジェイムズと出会う。昏睡状態の弟を中心としてフラニーとジェイムズの二人は関係を築き上げていく。

ふたりは恋人同士となるのだが、常にそこには弟の存在がある。フラニーは喧嘩別れをしたまま話ができず弟が事故にあったことを最後まで悔やんでいる。フラニーとジェイムズの恋愛映画ではない。ジェイムズの音楽があいまに挟まれてはいるが、フラニーの贖罪の物語と言えるのだろう。

■ストーリー
モロッコで生活しながら人類学博士号を目指すフラニー(アン・ハサウェイ)は、ミュージシャン志望の弟のヘンリーが交通事故で昏睡状態に陥ったため、急遽家族が暮らすニューヨークへと戻ってくる。大学を辞めてミュージシャンになると言った弟に反対し大喧嘩になって以来、疎遠となっていたフラニーは、弟の意識が戻る可能性は低いと医者に聞かされ動揺する。弟の部屋でみつけた自作の曲を初めて聴くと、それは人の胸を打つ素晴らしい曲だった。

自分が今まで弟のことを何も知らないでいたことを悔やみ、彼が何を感じてきたかを知ろうと、フラニーは弟の日記を手に、バイトをしていたギター店、ガールフレンドと一緒に行った食堂、ライブハウスなどの足跡をたどっていく。ある日、ライブハウスで、彼が憧れるミュージシャンのジェイムズ(ジョニー・フリン)と出会う。そして音楽を通じて互いに惹かれ合っていくが―。

■感想
博士号取得のために猛勉強を続けるフラニー。アカデミックな雰囲気でミュージシャンとは無縁の生活をしているフラニー。そんなフラニーの元に弟のヘンリーが交通事故にあったという連絡が入る。フラニーはヘンリーがミュージシャンになりたいと言った時に大喧嘩をした。

フラニーからしたらミュージシャン志望なんてのはたわごとでしかないのだろう。堅物のフラニーは弟が昏睡状態に陥って初めて弟のことをよく知らないことに気づく。

フラニーは弟がやろうとしたことを代わりに行う。そこでジェイムズのライブを見てジェイムズに興味をもつ。二人は自然に付き合うようになる。ヘンリーの昏睡状態は続き、その後フラニーはヘンリーの生活をなぞるようにさまざまな行動にでる。

あれほど否定していた音楽活動のようなことまでもフラニーはやってしまう。ヘンリーが目を覚まさないまま、フラニーとジェイムズは付き合いを続ける。そして、ついにヘンリーが目を覚ます。ジェイムズが病室で歌ったのがよいのかなんなのか…。

ヘンリーは意識を取り戻すが、そのタイミングでジェイムズはフラニーから離れていく。これはフラニーがふられたわけでなく、単純に時期がきたから別れたのだろう。フラニーもそのことについて後悔はない。今後、フラニーはヘンリーに対しての考え方は変わっていくのだろう。

単純な恋愛物語ではない。フラニーの後悔ばかりが印象に残っている。ジェイムズもずっとフラニーと付き合おうとは考えていなかったのだろう。どちらも一時的に心の隙間を埋めるためにした行動かもしれない。

人の心は変化しやすい。



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