ブレードランナー2049


 2019.12.7      新旧ブレードランナーがそろいぶみ【ブレードランナー2049】

                     
ブレードランナー 2049 [ ライアン・ゴズリング ]
評価:3

■ヒトコト感想
元祖のブレードランナーは見ていない。終盤にハリソンフォードが登場したことで、前作を意識していることがわかった。孤独なブレードランナーのKがレプリカントを追いつめる。Kが唯一心を許せるのはホログラムに映し出される美しい女だった。未来ではまるですぐ近くにいるようなホログラムの映像となる。

さらには生身の人間と重なると、まるで生身の人間に乗り移ったかのような状態になる。正直、前作を見ていないが、レプリカントとブレードランナーの争いだということはわかる。最後にデッカードが大きな秘密を握っているらしく、デッカードの奪い合いとなる。自分が人造人間なのかそうではないのかが判断できないのは恐ろしい。今ある記憶すらも後付けで作られたモノの可能性もある。

■ストーリー
2049年、LA市警のブレードランナー“K"(ライアン・ゴズリング)はある事件の捜査中に、人間と人造人間《レプリカント》の社会を、そして自らのアイデンティティを崩壊させかねないある事実を知る。Kがたどり着いた、その謎を暴く鍵となる男とは、かつて優秀なブレードランナーとして活躍し、30年間行方不明になっていたデッカード(ハリソン・フォード)だった。

デッカードが命を懸けて守り続けてきた秘密---世界の秩序を崩壊させ、人類存亡にかかわる<真実>がいま明かされようとしている。

■感想
逃げるレプリカントと追いかけるブレードランナー。前作から30年後の物語らしい。前作を見ていなくともそれなりに楽しめるのだが、断然、前作を見ていた方が良いだろう。自分が人造人間なのかそうではないのか。自分の今もっている記憶がすべて偽物で、自分も人造人間だとわかった時はとんでもないショックを受けることだろう。

レプリカントが出産したのが事実なのかどうなのか。このあたりは、森博嗣の小説に近いような気がした。未来の世界で人造人間が幅を利かせたとき、その人造人間が子供を産めるとわかったら。。人間の価値はなくなるのだろうか。

未来の世界ではホログラムで美しい女性を映し出すことができる。このホログラムはKのパートナーとなる。まさに、目の前にいたら生身の人間と見間違えるほどの精巧さだ。そんなホログラムのすばらしいところは部屋から外部に持ち出すこともでき、車の助手席に乗っているような感覚すらある。

さらには、生身の人間と重なり合わせると、同一人物のような感覚にすらなる。未来の世界では何もかもがすさまじい進化を遂げている。ただ、雑多な繁華街は未来であっても雑多なままというのがブレードランナーらしい。

レプリカントが出産した。その相手と思われる男がデッカードだ。レプリカントが出産したとわかると、それは人類には大きな脅威となる。Kはどのような判断をするのか。過去に優秀なブレードランナーであったデッカードが今はしょぼくれた老人となっている。

本作を見ると、ライアン・ゴズリングとハリソンフォードの違いが明らかとなっている。若々しさと、一線から外れた者のもの悲しさのようなものを感じてしまった。ブレードランナーファンならば絶対に見るべきだろう。ノスタルジックな気分になるのは間違いない。

ブレードランナーとしての趣のある作品だ。



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