2021.8.2 ゲイであることが困難な時代【ブロークバック・マウンテン】
ブロークバック・マウンテン[ ヒース・レジャー ]
評価:3
■ヒトコト感想
LGBTの作品。ブロークバックマウンテンで期間限定の羊の番をする仕事を得たふたりの男が、山でふたりで過ごすうちに愛し合うことになる。時代的に男同士の恋愛はタブーとされている時代に、ひっそりと愛をはぐくむふたり。イニスとジャックは、お互いがそれぞれ結婚し子供もいる状態でありながら、年に数回、逢瀬を続ける。強烈なのは、イニスの奥さんがふたりが抱き合っている姿を見るシーンだ。
新婚の妻からするとショックなのだろう。その後のイニスとの離婚の原因のひとつであることは間違いない。ジャックは奥さんにイニスのことがバレてはいないが、ジャックが死んだ後のイニスとの会話から、なんらか気づいていたような雰囲気を醸し出している。
■ストーリー
壮大で美しいブロークバック・マウンテンの農牧場で出会った二人の青年。山でのキャンプ生活の中で、次第に彼らは友情を超えた深い感情が芽生えはじめるのだったが…。
■感想
イニスとジャック。ふたりっきりで何ヶ月も羊の番をする。どちらかと言えば、ジャックは自分の性的趣向に気づいており、イニスはジャックにせまられ、初めて気づいたという感じだ。物語のポイントとして、男同士の恋愛が大っぴらに許される状況にはない、というのがある。
幼いイニスの目の前には、男同士で愛し合った者たちが、父親によって殺された姿を見せられ、強烈な刷り込みとなっていた。それぞれ結婚し子供がいる状態でありながら、お互いを忘れることができないふたり。どちらかというとジャックの方がイニスに会えずに辛いという感じだ。
ジャックはトラクター販売会社の社長令嬢と結婚し、順風満帆な人生を送っているが、イニスと会えないことに不満をつのらす。ここで、ジャックは自分の実家に帰り、そこでイニスとふたりで農場を営むことを提案する。
そんなことをすれば、ふたりがゲイであることを大っぴらにすることになる。イニスの困惑は理解できる。ただ、イニスはすぐに激高するタイプというのもあり、妻と離婚してしまう。この離婚原因として明言されてはいないが、イニスとジャックの抱き合う姿を見たことが影響しているのは間違いないだろう。
時代的な問題もあるのだろうが、男同士の恋愛というのは難しい。ジャックが死んだことを知ったイニスのショックはすさまじいものがある。ジャックはイニスに会えないことから、他のパートナーを探しにいったりもする。
ジャックが死んだ後、イニスはジャックの遺言を実行するためにジャックの両親の元へと向かう。ジャックがゲイであることに両親は気づいているのか。男同士の親友ということでカモフラージュできるような気もするが…。ジャックの妻は、ジャックがゲイであることは気づいていたのだろう。
それぞれのキャラの言動から、深読みしてしまう作品だ。
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