ブリッジ・オブ・ヘル 独ソ・ポーランド東部戦線


 2019.11.8      戦争の辛さを描いた作品【ブリッジ・オブ・ヘル 独ソ・ポーランド東部戦線】

                     
ブリッジ・オブ・ヘル 独ソ・ポーランド東部戦線
評価:3

■ヒトコト感想
ドイツがポーランドに侵略する。それを守るのはソ連。ひとつの橋を真ん中にして、ナチスとソ連軍が戦いを繰り広げる。この作品ではナチスが悪でソ連が善のように描かれている。ポーランドの孤児たちを守るソ連の軍人たち。それとは別にポーランドの国内軍は橋を爆破するために暗躍する。それぞれ立場があり、それぞれの主張がある。

ナチスも徹底的に悪ではなく、兵士は普通に人間的な面が描かれており、ニワトリをソ連軍と追いかけまわしたりもする。ただ、戦争なので激しい戦闘が繰り広げられる。この手の作品の定番としては、劣勢な側は次々と兵士たちが死んでいく。ソ連軍は援軍が来ない状態で、ナチスの巨大な戦車が迫りくる地で必死の抵抗を続ける。

■ストーリー
1944年8月。ポーランド東部。ソ連赤軍は、まだ若いエゴロフ中尉が率いる第一砲兵隊に、首都ワルシャワへとつながる重要な橋をナチスより守るよう命令する。橋へと到着した部隊は、近くにある修道院に聴覚障害を持つ孤児たちがかくまわれているのを知る。ナチスの戦車部隊が近づく中、橋に加え子供たちも守ろうとエゴロフは行動するのだが、隊員たちの理解を得るのは難しく、隊内に亀裂が生じる。

さらに独立を目指すポーランド国内軍がこの橋を爆破する為、揺れるエゴロフ砲兵隊の様子をうかがっている。ナチスの戦車部隊、ポーランド国内軍、そしてエゴロフが率いる赤軍砲兵隊の向かい合いは、やがて独ソ戦史上、最も過酷な戦いとなっていく・・・。

■感想
ナチスとソ連の戦争映画。歴史的な事実はよくわからない状態で本作を見た。かすかにドイツがポーランドに侵攻したというのは知っていた。本作ではナチスの侵攻をソ連軍が守るという流れとなっている。自国のポーランド軍はどうかというと、ドイツやソ連と比べると圧倒的な戦力差からゲリラ的な行動をとるしかない。

ソ連軍の面々はポーランドの孤児たちを守ろうとする。正義のソ連軍と悪のナチスという図式ができあがっている。完全にソ連・ポーランド側の視点の物語だ。

ソ連側がメインに描かれてはいるが、それぞれの軍は人間味のある描かれ方をしている。食料が乏しい中で野生のニワトリを見つけるナチス。追いかけて食料にしようとすると、そこには同じくニワトリを見つけて捕まえようとするソ連軍と出会う。

ここで相手がすぐ近くにまで迫っていることを知り、お互いが激しい銃撃戦を繰り広げる。ソ連軍はポーランド人の孤児たちを守ろうと必死になる。ただ、それぞれの思惑があり、個別の動きが物語を大きく動かしている。

ソ連軍とナチスの橋を挟んだ戦いは佳境を迎える。戦車などの物量で攻め入るナチス。ソ連は少人数で必死の抗戦をする。塹壕にはポーランドの孤児たちが匿われている。ソ連軍たちは必死に孤児たちを守りながら、ナチスに対抗するのだが結局は力尽きてしまう。

兵士同士のちょっとしたロマンスもあるが、明らかに死亡フラグが立つものもある。ソ連軍は全滅するが、その後、後方から少し遅れてソ連軍の援軍がやってくる。この流れというのは悲しくなる。あと少しタイミングが早ければ、と思わずにはいられない。

戦争の辛さを描いた作品だ。



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