2018.9.19 妻の再婚相手を探す 【ボクの妻と結婚してください。】
ボクの妻と結婚してください。 [ 織田裕二 ]
評価:3
■ヒトコト感想
タイトルからすると意味がわからないが、冒頭の流れですぐにわかった。余命半年を宣告された男が、妻のために生きているうちに再婚相手を探すという物語だ。にわかに信じられない状況だ。自分が死ぬとして、残された妻のために再婚相手を探そうとは普通考えない。本作の三村はくそ真面目に相手を探し、しまいには3人でデートしたりもする。
自分が死んだ後に、この人は妻と結婚するなんてことを考えることは普通ではない。妻としても違和感しかないだろう。本作は、三村のぶっ飛んだ行動と死を間近に控えた苦悩に感情移入して楽しむべき作品だろう。子供や妻の前でげっそりと痩せた三村が最後の時を過ごす。この場面だけは、やはり泣けてくる。
■ストーリー
樋口卓治の同名小説を織田裕二主演で映画化したラブストーリー。忙しい毎日を送るバラエティ番組の放送作家・三村修治。ある日、末期のすい臓がんで余命6ヵ月と診断された彼は、家族のためにある企画を思い付く。それは妻の結婚相手を探すことだった。
■感想
放送作家の三村が癌で余命半年を宣告される。三村の前向きな行動力はすさまじい。自分の妻の再婚相手を探すために仕事をやめ、八方に手を尽くす。そこまでやる?という疑問は常につきまとうのだが、見ていくうちに、いつの間にか三村の行動は当たり前のように思えてしまう。
三村は妻や家族に病気のことを内緒にし行動する。ある程度、再婚相手の算段がついたところで、自分が浮気をしていると妻に思わせるためある行動にでる。このあたりが盛り上がりのピークかもしれない。
妻にすべてがバレてからも、盛り上がりがある。再婚相手の男が妻のことを気に入り、3人で頻繁にデートを繰り返すことになる。このあたりは、仕掛けがあるのだが、それはラストに判明する。男2人に女1人。昔のドリカム状態だが、ここで少し気になったのは子供の存在だ。
10歳の息子は両親が遊び歩いているときにどうしていたのだろうか。物語にはそれほど重要な要素ではないが、父親が死んで一番悲しむはずの子供については、ほとんど掘り下げられていないのが気になった。再婚するにしても子供の意見は重要だと思うのだが…。
わかってはいるが、やはり死を間近に控えた男と家族との交流はそれなりに涙を誘う場面だ。特に、三村が部屋の中で車いすに乗りながら、鼻から管を通している状態でうつろな表情をしているのはかなりインパクトがある。死を待つしかないのだが、家族はできるだけ普通の日常を過ごそうとする。
最後の場面では三村の目線で、家族がのぞき込む顔で三村の死が表現されている。織田裕二がそこまで病的になりきれていないというのはあるのだが、このシチュエーションは、家族をもつ父親としては泣ける場面ではある。
非常識な状態であることは間違いないが、巻き込まれるとそれが普通になってしまう。
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