2021.6.2 押井守感が強い作品だ【BLOOD THE LAST VAMPIRE】
BLOOD THE LAST VAMPIRE
評価:2.5
■ヒトコト感想
押井守が企画に参加したので、どことなく絵柄は押井守風だ。ベトナム戦争中の横田基地内部で起きる怪物騒ぎ。少女の小夜が怪物を日本刀で切り刻む。人間に化けている怪物はその姿を隠しながら人間を襲い続ける。冒頭、いきなり小夜が電車内で酔っ払いのおやじを切り刻む。その後、駆け付けたエージェントらしきアメリカ人は小夜が人間を殺したと驚くのだが…。
小夜は無口で多くは語らない。そして、相手を一刀両断にする。横田基地内部ということで、英語が普通に飛び交う中で、日本人の小夜は異質だが、その力を示す。日本人女教師が怪物に襲われる直前にも、小夜が無言で助けに入っている。独特な絵柄がポイントの作品だ。
■ストーリー
押井守が企画協力で参加したアクションホラーアニメ。ベトナム戦争中の66年、横田基地内で起こる事件の陰に吸血鬼の存在を感じた“組織”は、基地内にひとりの少女・小夜を送り込む。
■感想
ホラーアニメということで、絵柄と雰囲気は恐ろしさを強調している。恐ろしさの理由のひとつは主人公の小夜が多くを語らないという部分だ。小夜と小夜と共に怪物と戦うブラックスーツを着た男たちは説明もなしに怪物を倒すために動いている。
何か超法規的組織のような雰囲気をかもしだしながら、小夜をサポートする男たち。主には小夜が倒した怪物の死体を回収するのが仕事なのだろう。怪物の正体は不明。小夜と男たちの正体も不明。不明だらけなのがより恐ろしさを増幅させている。
怪物は人間に化けている。パッ見は怪物だとわからない。小夜がかすかな気配を察知し、怪物だと見抜く。エージェントたちは怪物には気づかないので、小夜が人間を惨殺しているように見えてしまう。小夜が無言で人間に切りかかる場面は衝撃的だ。
怪物たちは人知れず人間界に侵食している。特に横田基地内部に多く存在しているようで、それを殲滅するのがエージェントの任務として描かれている。舞台が横田基地内部なので、英語がメインとなる。その中にひとりだけいる日本の教師が怪物に襲われることになる。
日本の教師が怪物に襲われ、それを助けるのは小夜だが…。怪物は羽をはやした巨大な蝙蝠のような存在だ。次々と横田基地の兵士たちを殺害していく。基地内部でのひそかな暴れっぷりはすさまじい。倉庫のような場所に小夜が閉じ込められるのだが、怪物が兵士を蝶番として扉を止めているのが印象的だ。
小夜は最後には飛行機に飛びついて逃げ出そうとしている怪物を一刀両断している。ラストの展開としては、小夜が最後のバンパイアだという描写なのだが、バンパイア的に血を吸うような描写はない。
この独特な絵柄だけで押井守が関わっているというのがわかる。
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