ブラック・シー


 2018.3.7      潜水艦の内部の複雑な人間関係 【ブラック・シー】

                     
ブラック・シー[DVD]
評価:3

■ヒトコト感想
海洋サルベージの専門家であるロビンソンが、海底に眠るUボートの金塊を手に入れようとする物語だ。ロビンソンが昔の仲間を集め、ボロボロの潜水艦でUボートの探索に向かう。かつての仕事仲間たちは、荒くれ者の集まりとなっている。密閉された潜水艦内部での人間関係の軋轢は修復が難しい。

大金を手に入れたあと、頭数で等分すると言うロビンソン。となると、自分の分け前を増やそうとメンバーを排除しようと考える者もいるかもしれない。仲立ち役であるダニエルズの策略やロビンソンのリーダーシップ。アクシデントが起り様々な危機が訪れる。金塊を見つけてからも、生き残ることを優先するのか、それとも金塊を手放さないのか、強烈なインパクトがある。

■ストーリー
海洋サルベージ専門家のロビンソンは、ある日突然、11年勤めた会社からクビを言い渡され途方に暮れる。妻と12歳の息子も彼のもとを離れていた。そんな矢先、かつての仕事仲間から、第二次大戦時に莫大な金塊を積んだドイツ軍のUボートが黒海に沈んだままになっているという情報を聞き、仲立ちをするダニエルズから提案されたプランに飛びつき、一攫千金を狙う男たちと深海に潜ることになるのだが…。

■感想
潜水艦を舞台にした映画にはずれがないというのはよく言われていた。本作も、密閉された空間で様々な人間関係の軋轢が発生する。ボロボロの潜水艦でドイツのUボートをサルベージする。そのために、ロビンソンはリーダーシップを発揮するのだが…。

乗組員全員の頭数で大金を分配するというその言葉が、潜水艦内部をざわつかせることになる。頭数が減れば、自分の取り分が多くなるなんていう思考にたどり着くのは、やはり只者ではない者たちの集まりだということなのだろう。

ちょっとしたいざこざから潜水艦が故障する。そして、動かなくなる。潜水艦のトラブルというのは、死に直結する。この緊迫感が潜水艦モノの醍醐味なのだろう。このまま潜水艦が動かなくなり、海の底で死ぬかもしれない恐怖。ただ、目の前には大金を積んだUボートがある。

潜水艦を修理する機材を手に入れるのと、大金を手に入れる。両方を手に入れようとするロビンソン。この状況では、大金に目がくらみ先のことが読めていないダメリーダーのように思えるのだが…。

しだいに壊れていく潜水艦の中で、どうにかして生き残ろうと必死になる乗組員たち。ただ、全てはダニエルズの仕組んだことであり、その後、何も考えずに大金を諦めて浮上するのか、それとも強制的に潜水を続け逃げ続けるのか。

次々と乗組員が死んでいく中で、どのようにして生き残るのか。最後に残るのがロビンソンを含めて3人となる。脱出スーツの存在があり、それを着ることで生きて脱出はできるのだが…。極限状態で最後にロビンソンが選ぶ選択肢がすばらしい。

潜水艦モノとして、また普通とは違った面白さがある。



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