2020.8.13 いずれ消えてしまうことが悲しい【Be With You いま、会いにゆきます】
Be With Youいま、会いにゆきます
評価:3
■ヒトコト感想
日本の小説を原作とした作品。日本版の映画も作られてはいるが、日本版はよく知らない状態で本作を見た。妻を失ったウジンは、雨の日に戻ってきた妻のスアの姿を信じられない面持ちで眺めるしかない。幼い息子との二人暮らしの場に、突如として死んだはずの妻が戻ってきた。それも記憶を亡くした状態で。
ウジンからすると、スアが消えてなくなることを恐れてしまう。スアがだんだんと自分の状況を理解し、ウジンとの生活を受け入れるのだが…。ウジンの息子のけなげな姿は涙を誘う。スアとウジンの若いころからの不器用な恋愛模様が本作のメインなのだが、それでも幼い子供が死んだはずの母親が目の前にいるというのはかなり強烈なのだろう。スアの消えた後の悲しみを想像するとやるせなくなる。
■ストーリー
雨の季節に戻るという信じがたい約束を残してこの世を去ったスア。それから1年後、梅雨が始まったある夏の日、生前と同じ姿のスアが現れる。しかしスアは夫であるウジンが誰なのかさえ覚えていなかった。自分のことを覚えていなくても、彼女がそばにいるという事実だけで幸せに包まれるウジンと、覚えてはいないが彼とのなれそめが気になるスア。
ウジンが聞かせてくれた出会い、初恋、初デート、幸せな瞬間を共に分かち合った2人は、もう一度恋に落ちる。しかし、永遠に続くかのような幸せな時間は瞬く間に過ぎて、梅雨が終わると同時にスアとウジンには、これ以上引き延ばせない運命の時間がやってくるのだが…。
■感想
この世を去った妻のスア。ウジンは息子とふたりでつつましく生活していたのだが…。雨の季節になりスアが戻ってきた。それも記憶をなくした状態で…。記憶を無くした直後のスアにウジンはぎこちない。そこでウジンがスアと出会ったころの思い出を語る。
メインはこのぎこちない二人のやりとりなのだろう。ウジン目線でスアに恋する男の葛藤が詳細に語られている。ウジンからすると、スアにはウジンが眼中になくウジンのプッシュに根負けしてスアが付き合ったかのように見えている。
死んだはずのスアの存在は一部の人々を驚かせるのだが…。スアとウジンの関係は、ウジンが昔話をしたことで劇的によくなる。ここで、スアがいずれいなくなることを考えると、今の幸せを楽しんでいるウジンや息子のことが不憫でならない。
スアを愛していればいるほど、スアはいずれいなくなる。ウジンの息子も、それをなんとなく察知してか、雨の日ばかりになるように雨を降らそうと必死に努力している姿がなんともけなげで悲しくなってくる。
ラストではスアが全てを明らかとする。スアが記憶を無くして戻ってきたことには大きな理由があった。そして、スアはすべてをウジンに打ち明けることになる。ウジンの片思いかと思っていたが、実はスアも最初からウジンのことが気になっていた。
スアとウジンの関係は両想いだったのだが、スアはウジンの好意を正直に受け入れることが難しく、どうしてもつっけんどんな態度をとってしまう。スアからすると、今の世界に来た意味を深く考え、すべてをウジンに伝えたのだろう。
スアがいずれいなくなるのは悲しすぎる現実だ。
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