2021.2.19 薬物がみじかに蔓延しているアメリカ【ベン・イズ・バック】
ベン・イズ・バック
評価:3
■ヒトコト感想
薬物依存の治療で施設に入っていた息子のベンが突然帰ってきた。母親のホリーは驚きながらも喜んでいる。ベンが本当に薬物依存を克服したのか、それとも…。ホリーと家族とベンの関係がメインの物語となっている。驚きなのは、薬物依存を克服することの困難さだ。帰ってきたばかりのベンに対してホリーは24時間監視をすると告げる。
少しでも目を離すと、その瞬間にベンが薬物に手を出す可能性があるということだ。ベンが家に帰ってきたことを昔の悪い仲間たちに知られ、愛犬が消えたりもする。ベンの状況は説明されてはいないが、徐々にどのような状況で薬物依存になったかが判明してくる。一緒に薬物をやっていたマギーという少女が死んでいたり、教師に薬物をすすめられたり。。とんでもない環境だ。
■ストーリー
クリスマス・イヴの朝、19歳のベン・バーンズ(ルーカス・ヘッジズ)は実家に突然戻り家族を驚かせる。薬物依存症の治療施設を抜け出し帰ってきたのだ。久しぶりの再会に母ホリー(ジュリア・ロバーツ)は喜び、温かく迎え入れた。一方、疑い深い妹アイヴィー(キャスリン・ニュートン)と良識ある継父のニール(コートニー・B・ヴァンス)は、過去の経緯から、ベンが何か問題を起こして自分たちの生活を脅かすのではと不安に駆られる。
両親はベンに、24時間のホリーの監視を条件に、一日だけ家族と過ごすことを認めた。その夜、一家が教会でのクリスマスの催しから戻ると、家の中が荒らされ、愛犬が消えていた。これはベンの過去の報いに違いない。誰か分からないが昔の仲間の仕業だ。凍てつくような夜、ベンは犬を取り戻しに飛び出す。それを追うホリー。ベンが過去を清算しようとする中で、息子の人生を食い荒らす恐ろしい事実を知るホリーは、ベンを救うことが出来るのは自分だけであることに気づき、全力で守ることを決意する。だがベンはホリーの前から姿を消してしまう・・・。
■感想
アメリカの日常に薬物があふれていることを認識した作品だ。ベンが施設から帰ってきた。それは早すぎる帰宅であり、継父のニールや妹はベンのことを怪しむ。ホリーだけがベンを無条件に受け入れようとする。
それまでにベンが何度も施設を出入りしていたことを感じさせる言葉がニールや妹からでてくる。それでもホリーは盲目的にベンを信頼しようとする。ベンがどんな状態で薬物中毒に陥ったかは物語がすすんでいくうちに判明してくる。彼女と思わしきマギーという女性は薬物の過剰摂取で死んだということもわかる。
ベンは帰宅したタイミングで薬物に手をだしてしまうのか。。。そこに焦点があてられている。周りは誘惑にあふれている。ホリーが24時間監視すると息巻くほど、少しでも目を離すとベンは薬物を摂取する可能性があるのだろうか。
クリスマスプレゼントを買いにショッピングモールに行くと、そこで悪い仲間たちと出会う。そこからベンの周りは急変する。悪い仲間から抜けるのは難しいのだろう。アメリカの薬物への危機感というのはすさまじい。ごく普通の薬局でも簡単に依存性のある薬が手に入ってしまうということだ。
ベンは昔の仲間との関係が切れずに苦労する。ベンがいることで家族を危険な目に合わせる可能性もある。苦悩するベンと守ろうとするホリー。ベンがどこかで薬物に手を出さないかとハラハラしてくる。ベンが愛犬を探すためにワル仲間たちの場所を尋ねる場面では、ホリーが一緒にいるのでちょっと気まずい感じとなっている。
ホリーはひたすらベンを守ろうとするのだが、ベンは家族への被害を考えひとりで行動しようとする。イメージ的にはヤクザが刑務所から出所したが足を洗えずに苦労しているような感じだ。
ホリーはベンのこととなると、とたんにヒステリー気味になるのが強烈だ。
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