2018.10.3 金だけでは幸せにはなれない 【ベネファクター/封印】
ベネファクター / 封印[DVD]
評価:3
■ヒトコト感想
病院を経営する大富豪のフラニーが、親友夫妻の忘れ形見の娘と再会し、人生を取り戻していく物語だ。フラニーは何不自由ない生活を送っていたはずが、親友夫婦の死により自暴自棄となりホテルで世捨て人のような生活を続ける。金がうなるほどあったとしても、子供や親族がいなければ孤独にさいなまれ、鬱になってしまうのだろうか。
親友の死からフラニーが立ち直るきっかけは、親友の娘であるオリビアが結婚すると夫ルークと共に目の前に現れてからだ。ただ、ここからフラニーは大富豪だけにできるお節介をしつつ、自分がモルヒネ中毒であることも認識し始める。大富豪だからといって、なんでも手に入れられるわけではない。
■ストーリー
小児病院を経営する億万長者のフラニーは、親友夫妻を交通事故で失って以来、5年もの間、高級ホテルに一人閉じこもり、処方された痛み止めを“クスリ"として飲んで過ごす、世捨て人のような毎日を繰り返していた。そんな中、死んだ親友が遺したただ一人の娘で、かつては我が子のように可愛がっていたオリビアが新婚の夫ルークとともに町に帰ってきた。
親友の死から立ち直れないでいたフラニーだったが、久しぶりに会う美しく成長したオリビアの幸せそうな姿に生きる希望を見出し、新たな人生を歩もうと前に進みだすが、彼にはオリビアには言えずに長年封じ込め秘密にしてきた親友の死に関する真実を抱えていた…
■感想
フラニーは金があるが人生に目的がなく、鬱状態だった。そんなフラニーを救ったのは、子供同様にかわいがっていた親友の娘であるオリビアの存在だ。そんなオリビアが結婚するとわかり、フラニーはできる限りの支援をしようとする。
フラニーの行動は行き過ぎている。オリビアたちのために、いきなり新築の家をプレゼントしたり、夫であり医者であるルークを自分の病院で雇ったり。オリビアとルークからすると、行き過ぎたプレゼントは異常なことだとしか認識できないのだろう。
ルークはフラニーとは距離をおこうと提案する。フラニーには悪気がないのだが、ルークからしたら異常としか思えない。そんな状態で、実はフラニーがモルヒネ中毒だと知る。ルークはそこでフラニーと決別を宣言する。フラニーにしてみれば、裏ぎられた気持ちなのだろう。
オリビアの夫だからと面倒をみるつもりでいたルークに拒否されたフラニーの行動は常軌を逸している。フラニーほどの富豪であれば、モルヒネなんていくらでも手に入れることはできると思うのだが…。
ルークを病院の役員にまで推薦したフラニーだが、オリビアが子供を産んだことで、人生の意味を見つけることに成功する。金が全てではない。オリビアとルークは金になびくような人間ではない。フラニーはふたりと対照的に哀れにしか見えない。
ひたすらモルヒネを求める大富豪。この図式の異様さは強烈なインパクトがある。ラストでは、すべてを悟ったフラニーが改心し、モルヒネ中毒から脱するためにリハビリに専念すると宣言する。
金があるだけでは、幸せなわけではない。
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