バリー・シール アメリカをはめた男


 2021.10.8      麻薬王やCIAを利用するとんでもない男【バリー・シール アメリカをはめた男】

                     
バリー・シール/アメリカをはめた男 [ トム・クルーズ ]
評価:3

■ヒトコト感想
実在したバリーシールという男を描いた作品。CIAにスカウトされCIAの極秘任務を遂行する。麻薬の運び屋から始まり、テロ組織の兵士の運搬まで。パイロットとしての高い技術を活かして闇の仕事を実行する。そして、大金を手に入れる。大儲けしすぎて札束を置く場所がなく、庭に埋めるという描写がすさまじい。

最初は怪しんでいた妻も、夫が大金を持ち帰るたびに仕事に理解を示す。悲しいかな、いくらCIAの仕事とはいえ、違法な仕事なので、いずれ逮捕される危険が付きまとう。衝撃的な人生なのだろう。使い切れないほどの大金を手に入れ、最後にはCIAに切られてしまう。せめてもの抵抗としてはCIAとの繋がりを示す資料を大量に残していたということなのだろう。

■ストーリー
天才的な操縦技術を誇り、民間航空会社のパイロットとして何不自由ない暮しを送っていたバリー・シールの元に、ある日CIAのエージェントがスカウトに現れる。CIAの極秘作戦に偵察機のパイロットとして加わる事となったバリーは、その過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触し、麻薬の運び屋としてもその才能を見せ始める。ホワイトハウスやCIAの命令に従いながら、同時に違法な麻薬密輸ビジネスで数十億円の荒稼ぎをするバリー。しかしそんな彼の背後には、とんでもない危険が迫っていた…。

■感想
天才的な技能をほこるパイロットのバリーシール。その技術をかわれ、CIAの極秘任務を実行する。妻には内緒でひっそりと行うはずだったのだが…。まずこの任務がすさまじい。簡単に言うと麻薬の運び屋なのだが、ストロークの短い滑走路からギリギリ飛び立ち、麻薬は途中で飛行機から投げ落とす。

麻薬王のエスコバルらに近づいて親密になっていくと、そこからさらにCIAの命令はエスカレートしていく。他国のテロ組織の兵士を運び出し、訓練所へ送り込んだりもする。

バリーはついに妻に仕事のことがバレるのだが、大量の札束を見て妻は何も言わない。やはりすべては金なのだろう。危険な仕事をしていると理解しながらも、札束に目がくらむ。会社として部下を雇いながらも規模を広げていく。

ついには家に入りきれない札束を庭に埋めたりもする。ここまで業務が巨大化すると、今度はFBIやDEAに目を付けられる危険性がある。CIAの仕事をしているということで、すべてが許されるかと思いきや、あくまでも極秘任務ということで逮捕されてしまう。このあたり、バリーは利用されていたということなのだろう。

ラストは強烈だ。投獄されないために、麻薬王の犯罪の証拠写真を撮ることを依頼される。CIAはまさに利用するだけ利用し、終われば棄てるというとんでもない組織だ。結局バリーは利用され、エスコバルに裏切りがバレ命を狙われることになる。

せめてものバリーの抵抗として、CIAとの繋がりを示す証拠を大量に残すということだったのだろう。一時は大量の金を手に入れ天国を味わったとしても、それはひと時。家族を逃がし、いつ殺されるかわからないとおびえて生活するというのは辛い。

CIAの担当者は何のお咎めもなしに出世したということに驚いた。



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