バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)


 2020.1.30      超能力をもつ元売れっ子俳優【バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)】

                     
バードマン あるいは 無知がもたらす予期せ…/マイケル・キートン
評価:2.5

■ヒトコト感想
スーパーヒーローのバードマン役を演じスターとなったリーガン。その後、ヒット作に恵まれず過去の人となってしまったリーガンが、再起をかけて演劇の舞台で奮闘する。まず、冒頭でリーガンは超能力を使えるという描写がある。リーガンは超能力を抜きにして演劇を成功させたいと願う。

実力派俳優のマイクに翻弄されつつもリーガンは事態を打開しようとする。リーガンの状態は、売れっ子俳優が売れなくなったパターンとしてはよくある流れだろう。リーガンは家族との絆や、マイクや他の俳優仲間たちとの関係なども改善しようとする。リーガンとサムとの関係を改善し、超能力者としての力を一切使うことなく、ごく普通に売れっ子俳優に返り咲こうとしている。

■ストーリー
映画シリーズ4作目を断って20年、今も世界中で愛されているスーパーヒーロー“バードマン"。だが、バードマン役でスターになったリーガンは、その後のヒット作に恵まれず、私生活でも結婚に失敗し、失意の日々を送っていた。再起を決意したリーガンは、レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色し、演出と主演も兼ねてブロードウェイの舞台に立とうとしていた。

ところが大ケガをした共演者の代役として現れた実力派俳優のマイクに脅かされ、アシスタントに付けた娘のサムとは溝が深まるばかり。しかも決別したはずの“バードマン"が現れ、彼を責め立てる。果たしてリーガンは、再び成功を手にし、家族との絆を取り戻すことができるのか?

■感想
変身ヒーローモノとして過去に一世を風靡したバードマン。もしかしたらバットマンのことを言っているのかもしれない。バードマン役でスターとなったリーガンは、「あの人は今」状態となっている。落ちぶれたリーガンはひっそりと劇場で舞台俳優として再成功しようとしている。

ただ俳優の人生再生物語かと思いきや、そうではない。リーガンには実は超能力があり、その力は体を空中に浮かせたり、物を超能力で動かしたりもできる。当然、バードマンと同様にリーガン自身が大空を飛び回ることもできる。

リーガンは演劇に熱を入れている。入れすぎて、同僚や演出家に激しく文句を言ったりもする。リーガンの演劇に対する熱は、代役として入ってきた実力派俳優のマイクにも怒りの矛先を向けている。このマイクのキャラが独特だ。

実力はあるのだが自由奔放すぎる。舞台上で女優の布団の中で息をひそめる場面では、そのまま勃起し相手を押し倒そうとする。観衆が見ている目の前でその行動にでる肝の太さというか、何も考えていないのか。それまではインポだったのが、その瞬間だけ治ったというのは奇妙すぎる。

リーガンはどうにも吹っ切れない状態となっている。自分の傍らには、いるはずのないバードマンがリーガンに囁きかける。リーガンはひたすら自分が俳優として成功することだけを考えている。家族をないがしろにし恋人をないがしろにしても、ただ目的のためだけに邁進する。

強烈なインパクトはないのだが、バードマンの悲哀というか、リーガンの落ちぶれた状況がちょっとユーモラスに、さらには哀れみを誘うような描かれ方をしている。

同僚のマイクがエキセントリックなのも良い。



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