バッド・ルーテナント


 2020.4.13      悪徳汚職刑事が最後に大逆転をする【バッド・ルーテナント】

                     
バッド・ルーテナント
評価:3

■ヒトコト感想
汚職刑事が八方ふさがりの状態からどのようにして復帰するのかが描かれている。刑事のテレンスは敏腕刑事だが薬物中毒であり汚職もなんでもありだ。テレンスはフランキーとともにドラックに溺れ、押収したドラッグをネコババしたりもする。殺人事件の捜査の過程で、テレンスは行き過ぎた捜査を行う。テレンスの汚職警官具合がすさまじい。

事件の手がかりを得るためには、無実な一般市民を強引な方法で従わせたりもする。調子にのったテレンスには、一気にさまざまな不幸が押し寄せてくる。ギャングに脅され、借金取りがやってきて、刑事の立場も危うくなる。それが、ちょっとしたきっかけから一気に雪崩のように事態が好転していく。この流れはすばらしい。

■ストーリー
ハリケーン・カトリーナが襲来した直後のニューオリンズ。逃げ遅れた囚人を救い出したことで表彰され、昇進を成し遂げた正義の刑事テレンス・マクドノー(ニコラス・ケイジ)。しかし彼は賭博に興じ、恋人の高級娼婦フランキー(エヴァ・メンデス)とともにドラッグに手を染め、挙げ句の果てには警察が押収したドラッグを盗み出すという裏の顔を持っていた。

ある日、不法移民の一家5人が惨殺されるという事件が起こる。テレンスはこの事件の陣頭指揮を執ることになるが、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

■感想
テレンスは正義の刑事ということになっている。上司からの評価も高く、難事件が発生した際には、テレンスをリーダに指定したりもする。テレンスの表の顔は正義の刑事でも、裏の顔はとんでもない男だ。犯罪者から押収した薬物をネコババする。

薬局に行けば強引に警察の権力を使って薬を手に入れる。あげくは夜道を歩いているカップルに職質して強引に薬物所持で逮捕すると脅す。もはやなんでもありの汚職警官だ。賭けスポーツで負けて多大な借金を作り、行き過ぎた捜査で訴えられたりもする。

中盤からテレンスの勢いが怪しくなってくる。何もかもうまくいかない。娼婦のフランキーが殴られたということで乗り込んだ相手は権力者の息子だった。そのことから、テレンスとフランキーはギャングに脅され大金が必要となる。

賭けで負けた借金の取り立ても激しくなり、強引な捜査の影響で訴えられ刑事としての身分を失い、資料整理係へと飛ばされてしまう。すべてが悪い方向へと動いていくテレンスだが、それでも諦めずに悪知恵を働かせる。ここからがテレンスの真骨頂だろう。

薬の売人とコンビを組んで警察の情報を横流ししマージンを得る。大金を手に入れ自分用の薬も思うがまま。そこから、テレンスをねらいにきたギャングを薬の売人たちに殺させ、あげくにはアメフトの有力選手を薬物所持で逮捕するとおどし八百長をさせて賭けに勝とうとする。

それまでの負の潮目が、一気に様変わりする。テレンス自身もなぜそこまで変化したのか驚いているような感じかもしれない。散々好き勝手にやってきたテレンスが最後もおいしい目を見る。

なんだか納得はいかないが、これはこれでよいような気がした。



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