バッド・ジーニアス 危険な天才たち


 2020.7.21      緊迫感あふれるカンニング【バッド・ジーニアス 危険な天才たち】

                     
バッド・ジーニアス 危険な天才たち
評価:3

■ヒトコト感想
タイの映画だ。頭脳明晰な女子高生のリン。家は貧乏だが成績は優秀だった。ちょっとしたきっかけで金持ちグループのグレースたちにカンニングを依頼される。リンが試験中に問題を解き、それを周りの生徒たちに暗号のようにして答えを教える。そのことでリンは大金を手に入れ、生徒たちは留年せずにすむ。この関係はちょっとしたミスにより明るみにでることになる。。

リンは一度失敗しても、グレースたちからのしつこい誘いにより、もう一度大きなカンニングの仕組みを作り上げることになる。カンニングを実行する際のハラハラドキドキ感が本作のポイントだろう。特に最後のカンニングではかなり時間的にギリギリなのと、途中のアクシデントでドキドキ感は強い。

■ストーリー
リンは小学1年生の頃から成績はオールA、中学でもずっと首席で通した頭脳明晰な女子高生。裕福とは言えない家庭で育った彼女だったが、優秀な成績が評価され、特待奨学生として進学校への転入を果たす。転入初日、勉強は不得意だが天真爛漫なグレースと出会ったリンは、彼女と友達に。リンは彼女に勉強を教えるようになるが、中間テストの本番中、まるで問題を解けないグレースを見かねて、答えを教えてしまう。やがて、その噂を聞きつけたグレースの彼氏・パットは、リンの頭脳を活かした“裏ビジネス”を思いつき…。

■感想
成績優秀なリンが、金持ちだが勉強ができない生徒たちにカンニングをさせる。リンとしてはリスクがあるが、成功報酬として金を貰うことが目的となっている。最初のカンニングは答えをピアノの指の動きで周りに伝えている。

この手法であれば、教師にバレることはないが、かなり難しいように感じた。大多数の生徒たちがこのカンニングプロジェクトに参加していることも、リスクのように感じた。リンとしては一度のカンニングで大量の金を手に入れるというメリットがあるのだろう。

最初のカンニングが教師にバレたのは、もう一人の優等生のチクりによるところが大きい。いちど痛い目を見たリン。ここで父親や周りから失望されるなどがある。本作で最も強烈なのは、ひたすら勉強せずにリンに頼り切っているグレースとパットたちだ。

親からの期待を全てリンに任せている。自分たちは金を提供するだけでリンにはかなりのリスクがある。ここで、最後のカンニングはリンともうひとりの優等生を加えた大掛かりなものとなる。

ラストのカンニングはハラハラドキドキの連続だ。時差の影響で世界で一番最初にテストが実施されるシドニーでテストを受け、その答えをスマホでタイに伝える。グレースは答えをエンピツのバーコードとしてシールを作成する。

かなり綱渡りで危険な作業ではあるが、リンはそれを実行しようとする。途中でアクシデントがあり、もうひとりの優等生は捕まってしまう。そもそもリンたちは普通にすれば好成績がとれて奨学金を貰って海外へ留学できるはずだが…。リスクとリターンの割合が不釣り合いのような気がした。

タイ発のハラハラドキドキする作品だ。



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