バーニング・クロス


 2018.5.22      殺人鬼の個性で差別化 【バーニング・クロス】

                     
バーニング・クロス【字幕】
評価:3

■ヒトコト感想
犯罪心理学を学んだ刑事と猟奇殺人鬼の対決。刑事のアレックスは同僚のトミーと殺人鬼の殺人を阻止する。アレックスが調査をした結果、殺人鬼の次のターゲットが判明し、阻止する。そのことに怒りを覚えた殺人鬼がアレックスを付け狙うという、わりとありきたりなパターンだ。本作の特徴としては、やはり殺人鬼の風貌だろう。

筋肉質で鍛え上げられた細身の体。格闘術にすぐれ頭も良く狙撃の腕もすばらしい。そんな完璧な男が、殺人に対して異常な執着をみせる。アレックスを直接狙うのではなく、その妻を狙うあたりが陰湿だ。あえてアレックスを怒らせ挑発する。まさに猟奇殺人鬼の見本のような人物だ。アレックスがFBIに転職しようと妻に相談するなど、幸せな予兆が、逆に死亡フラグに見えてしまった。

■ストーリー
犯罪心理学の専門家でワシントン市警刑事のアレックス(タイラー・ペリー)は、猟奇殺人鬼(マシュー・フォックス)を逮捕するため、同僚の刑事トミー(エドワード・バーンズ)と共に捜査に尽力していた。やがて、犯人の行動を緻密に分析し推理をしていく中、次なるターゲットが、フランスの資産家メルシエ(ジャン・レノ)であることが浮かび上がってくる。

目的のためなら手段を選ばずに実行する頭脳と思想を持つ謎の殺人鬼、奴の目的は一体何なのか?その背後に秘められた巨大な悪意が見え隠れする中、真実に近づきつつあったアレックス自身にも恐るべき魔の手が迫りつつあった・・・。

■感想
猟奇殺人鬼が狙うのは資産家やセレブばかり。家に入り込む手順も手が込んでいる。男同士がなぐり合うショーの場に飛び入りし活躍する。そこからセレブと知り合いになり家に入り込み殺害してしまう。相手の体を動けなくしてから手の指を全て切り落とすなど、これでもかと異常者っぷりが表現されている。

そんな異常者が次に狙うターゲットを、犯罪心理学を勉強した刑事アレックスに見破られてしまう。殺人鬼は非常にプライドが高く、自分の計画を狂わされたことで、アレックスに深い恨みをもつようになる。

殺人鬼が相手を殺すまでのプロセスが強烈だ。厳重な警備に守られた資産家に対しては、オブジェの噴水の排水管を伝って内部に入り込む。そして、ターゲットを殺害しようとするのだが…。ここでアレックスと相棒のトミーがすんでのところで資産家を守ることに成功する。

そこから、アレックスは殺人鬼に付け狙われることになる。アレックスは嫁と娘と幸せな生活を送っている。FBIに転職しデスクワークに就こうと嫁に相談したりもする。このあたり、幸せな未来を思い描いているが、明らかに不幸へのフラグに見えてくる。

アレックスと殺人鬼の対決は二転三転ありながら、最後には一対一の対決となる。殺人鬼は、殺害までの計画は緻密だが、常に同じ車に乗って移動したりと、守りの面で甘さがある。アレックスとの対決も、心理戦というよりはありきたりなアクションとなっている。

ラストは廃工場のような場所で、殺人鬼の声が響く中、アレックスがゆっくりと殺人鬼を探索するという、定番的なパターンとなる。内容的にはわりとよくあるパターンだ。殺人鬼の個性で物語に特徴をつけるしかないのだろう。

強烈なインパクトはないのだが、安定した面白さがある。



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