アウトランダー


 2020.12.29      実は怪物は被害者でしかない【アウトランダー】

                     
アウトランダー スペシャル・コレクターズ・エディション
評価:3

■ヒトコト感想
8世紀の地球が舞台の物語。地球に別の星から異星人がやってきた。見た目は地球人と変わらない。宇宙船が不時着し、生き残りはケイナンのみ。宇宙船には実は他の星の怪物も紛れ込んでいた。ケイナンたちはとんでもない化け物を引き連れて地球へやってきてしまったということだ。

8世紀の地球では異星人という概念がない。そのため、ケイナンの姿を見ても別の部族でだろう、という認識しかない。ケイナンはヴァイキングの仲間となり、自分が地球へ持ち込んでしまった怪物を退治しようとする。ケイナンの最新機器を身にまとった姿をみても、ヴァイキングたちは特別な印象をもたない。怪物との激しい戦いでは、ヴァイキングらしく剣で戦うのだが、その剣の元となる鉄はケイナンの壊れた宇宙船を利用している。

■ストーリー
8世紀の地球に墜落した宇宙船から、殺人生命体が逃げ出してしまう。乗組員のケイナンは地球のヴァイキングと共に立ち向かうが…。

■感想
タイトルは日本語で言うと「よそ者」ということらしい。別の星から8世紀の地球へやってきたケイナン。宇宙船が怪物により破壊されたために不時着した先が地球だった。8世紀の地球と異星人では圧倒的な文明の差がある。

冒頭では、ケイナンが不時着した地球での環境に適するよう、独自の機器を利用し情報を頭の中にインプットしている。このことで、ケイナンは他の地球人と出会ったとしても、違和感なく会話し相手のことを受け入れることもできる。よくできた展開であることは間違いない。

ケイナンが地球に不時着したのは、宇宙船の中に他の星の怪物が紛れ込んでおり、それにより乗組員が殺されたからだ。意図せず地球へ怪物と共に乗り込んでしまったケイナン。ちょうどヴァイキング同士が争う場所へ来たことから、最初はケイナンは別の部族の侵略者だと誤解されてしまう。

ケイナンは巨大なクマを倒したことでヴァイキングに認められ受け入れられるのだが…。ヴァイキングに多数の行方不明者がでていた原因はクマではなくケイナンが連れてきた怪物だった。

物語としてはケイナンとヴァイキングが協力して怪物を倒すという流れなのだが、その前段になぜ怪物が宇宙船に乗り込んできたかが語られている。そもそもケイナンたちが、怪物が生活する星を侵略しようとしたことから始まっている。

怪物を焼き殺すミッションを遂行したはずが、実は怪物の生き残りがいた。怪物からしたら、生きるために宇宙船に乗り込み、いつの間にか地球に連れてこられたという感じだ。見た目のグロテスクさと人間を餌にすることから排除されてはいるが、気の毒な立場であることは間違いない。

ケイナンの種族こそ、星を侵略する悪者だ。



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