2019.5.10 寄せ集めの家族たち【at Home】
at Home
評価:3
■ヒトコト感想
空き巣の父・和彦と結婚詐欺師の母・皐月。そして子供たち。最初は本当の家族で、父親と母親と兄が犯罪行為に手を染めているものかと思っていた。それが、実は本当の家族ではなく、はぐれ者たちが集まって生活しているということがわかる。ちょっと家族全員が一緒に暮らすことになる経緯が強引だが、家族それぞれが今の状態になったやむを得ない事情が語られている。
元はまったく出会うはずのない者たちが、偶然家族ごっこをする。寄せ集めの家族となると、誰かが裏切るのでは?なんてことを考えたり、どこかで前の家族とかち合ったりしないのかと考えてしまう。特に子供などは、親が探しにくるのではないかと思ってしまう。そのあたりの細かいことを考えるのは無粋なのだろう。
■ストーリー
空き巣の父・和彦(竹野内豊)と結婚詐欺師の母・皐月(松雪泰子)は、犯罪で生計を立てながら 3人の子どもたちと暮らしていた。そんなある日、 母の詐欺が相手に見破られたことで誘拐され、身代金を要求されてしまう。血のつながりはなくとも、それぞれに苦しい過去を持つ寄せ集めの家族は、ささやかな幸せを守るため立ち上がる。
■感想
父親が空き巣をして家に帰り、今日の成果を家族の前で披露する。事情を知らなければ、間違いなくぶっ飛んだ家族だ。母親が料理を作り父親の帰りを待つ。子供たちは自分たちの宿題やなんやかんやをやる。ここまではごく普通の家族だが、そこから先がおかしい。
父親だけでなく、母親までも結婚詐欺をはたらいている。そして、兄はパスポートを偽造したりと、なんだかおかしな家族だ。それが実は、本当の家族ではなく皆、それぞれに苦しい過去をもつ者たちが寄せ集まった家族ということがわかる。
父親は過去に空き巣で捕まったことがあり、本当の家族とは離れ離れ。母親はDV夫から逃げ出してきた。娘はロリコンの父親から危険を感じて逃げてきた。兄は両親の期待に応えられず家出。弟は母親から虐待を受けていた。
わかりやすい展開で、それらの者たちが寄り添うことになる。ここから母親の結婚詐欺がバレて相手に捕まり拷問を受ける。本当の家族ではないので、イザとなれば逃げだしてもよいはずが、家族全員が母親を助け出そうと協力する。
本当の家族以上に強固な絆で結ばれた家族たち。誰がどう見てもへんてこでいびつな家族だが、他に行き場所のない者たちにとっては、そこは唯一の安息の地なのだろう。犯罪者家族と言えなくもないのだが、子供たちは犯罪者ではなく、恐怖から逃げてきたといった感じだ。
こんな家族関係はありえないと否定するのは簡単だが、それだけ本当の家族がめちゃくちゃだということなのだろう。逃げ出し先がない者にとっては何よりも大事な逃避先だ。
ありえないが、ある意味、本当の家族よりも強固な関係だ。
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