アサシン・ゲーム


 2019.2.12      合理的な最強の暗殺者 【アサシン・ゲーム】

                     
アサシン・ゲーム  【字幕・吹き替え】ジャン=クロード・ヴァン・ダム
評価:3

■ヒトコト感想
非合法の殺し屋的な活動をしてきたスナイパーのブラジル。冷酷非道で守る者がない無敵の男。対してインターポールの秘密を手に入れたことから狙われることになるブリントには妻があり、その妻の復讐のため、インターポールと犯罪者のポロを狙う。ブリントはまっすぐな男で怒りを熱量として行動している。ブラジルはビジネスライクな男だ。

このふたりのコンビが対照的であり物語のスパイスとなっている。インターポールと犯罪組織とブラジルとブリント。この三者が入り混じる中で、ブラジルだけがインターポールにも恐れられるほどの男となっている。ブラジルは自分の利益のためにはブリントを裏切ることも当たり前にしてしまう。ブラジルのキャラが本作の差別化のポイントだろう。

■ストーリー
スナイパーを雇い非合法的に犯罪者を一掃したインターポールは、証拠隠滅を図るため、その全てを知る男フリント抹殺を計画する。そして、フリントが個人的に恨みを持つ犯罪者ポロを出所させ、行方不明の彼をおびき出す作戦に打って出るが、謎の人物から依頼を受けた別のスナイパー、ブラジルがポロ暗殺に乗り出す。フリントとブラジル、二人のスナイパーは同じ標的をめぐり激しく対立するが・・・。

■感想
ブリントはポロの組織に妻をレイプされ、妻は昏睡状態となる。妻の復讐のためブリントはポロを狙い、さらにはインターポールにも復讐しようとする。ブリントはまさにわかりやすい怒りを体中に充満させ、強烈な怒りで相手をせん滅しようとする。ブリントに脅威を覚えたインターポールはポロを利用してブリントを排除しようとする。

そんな状態でブラジルはどちらにつくでもなく、自分の利益のために動き回る。まさにブラジルだけが孤高の殺し屋ではあるが、一番恐ろしい男という流れとなっている。

ブリントは守る者の復讐のために行動する。ブラジルは守る者がないことが強みであったが、隣でDVを受ける女をかくまったことで、守る者ができてしまう。ポロは弟を殺された恨みとしてブラジルを殺そうとする。その過程でブラジルの守る者を使って脅そうとする。ブラジルとブリントの対応というのは、それぞれに違いがある。

強烈なインパクトはないのだが、ブリントは誰もが想像するような行動をとる。インターポールと犯罪組織を敵に回しても自分の信念を曲げない強さがある。

ブラジルは自分の利益のためならば、ブリントを裏切ったりもする。このドライな感じがブラジルの個性だろう。時には殺し屋としての仲介役の人物すら排除しようとする。

合理的ではあるが、敵を作る性格かもしれない。ただ、ブラジルには圧倒的な暗殺能力があるために、他者からは強烈に恐れられている。インターポールでさえ、ブラジルと相対することを嫌がるくらいだ。このブラジルのキャラの個性がなければ、ほとんど物語の個性がない単純な暗殺アクション映画となってしまっていただろう。

ブラジルの個性は強烈だ。



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