アンコール


 2018.11.28      頑固親父の思わぬ才能 【アンコール】

                     
アンコール!!
評価:3

■ヒトコト感想
典型的な頑固おやじのアーサーとその妻マリオン。高齢夫婦のふたりはマリオンが陽気で社交的で地域の合唱団に参加している。アーサーはそれをくだらないと一蹴する。ある日マリオンが倒れ余命宣告される。アーサーはマリオンのたっての願いとして合唱団への参加を許し送り迎えまでする。

アーサーは息子との関係も悪く、マリオンの仲間たちに対しても辛らつな態度を示す、まさに手の付けられないやっかいな老人と化している。そんなアーサーもマリオンが亡くなると、その思い出に浸るために合唱団に参加することに…。超頑固おやじであるアーサーが周りの影響を受けどのように変わっていくのか。ラストの合唱シーンは感動的だ。

■ストーリー
ロンドン。無口で気難しいアーサーは、隣近所でも有名なガンコ者で、息子ともギクシャク。唯一、笑顔を見せるのは、最愛の妻マリオンにだけ。病弱だが陽気なマリオンの趣味は、ロックやポップに挑戦するちょっと変わった合唱団“老人ズ"で歌うこと。

ある日、“年金ズ"が国際コンクールのオーディションに出場することに! しかし、喜ぶマリオンに、なんとガンが再発したという告知がー。 練習に行けないマリオンのたっての頼みで、アーサーは、妻の代わりに渋々合唱団の扉を叩く。美人なのに恋愛ベタな音楽教師エリザベスや、個性派だらけの仲間との出会いは、アーサーの毎日を思いもよらない方向へ連れて行く・・・。

間近に迫ったコンクール。マリオンがアーサーにどうしても伝えたかったこととは? そして、自分の殻に閉じこもっていた72歳のアーサーを待ち受ける、新たな人生のステージとは―?!

■感想
マリオンは合唱団の仲間と共にロックやポップスに挑戦しながら人生を謳歌している。対してアーサーは常に眉間にしわを寄せて難しい顔をした頑固おやじだ。マリオンが余命僅かと知ってからも、そこまでアーサーの態度が劇的に変わることはない。

息子に対してもぶっきらぼうで当然関係もよくはない。唯一、孫だけがアーサーと仲良くできる存在だ。こんなザ頑固おやじに対してマリオンは優しく諭す。マリオンの合唱仲間や音楽教師のエリザベスなどと交流していくうちに、アーサーは少しづつ変わっていく。

マリオンが死んでからはアーサーは抜け殻のような生活をする。息子との関係が改善するわけでもなく、バカにしていた合唱団の練習をちょっとのぞいたりもする。妻に先立たれた頑固おやじが途端に老け込むパターンだろう。

本作ではエリザベスが救いの手を差し伸べる。アーサーが実は歌がうまく、周りを圧倒する歌声をもっていた。ただ、合唱団に入るのは抵抗がある。アーサーの葛藤と、エリザベスのおせっかいなまでの過干渉がアーサーを救っている。

ラストはお堅い合唱コンクールへの参加場面となる。ここで型破りな合唱団はコンクールからいったんは排除されるのだが…。そこからアーサーの頑張りにより合唱団は急遽合唱するチャンスを得る。ラストの合唱シーンはまさに感動ものだ。

型破りな合唱は、観衆たちをいつの間にか虜にし、目を離せなくさせている。エリザベスが老人と子供しか友達がいないだとか、恋人との関係もうまくいっていないなど、アーサー以外のキャラが立っているのも本作の魅力のひとつだろう。

頑固おやじが変わっていくのは、見ていて面白い。



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